『読楽』2012年7月号

「化石少女 第二話 真実の壁」麻耶雄嵩
 ――まりあと彰が文化祭に向けてエディアカラ生物群ジオラマを作っていると、落雷とともに停電が起こった。照明が回復すると同時に、向かいの体育館の壁に人影が浮かび上がった。女子と思われる人影に短髪の男らしき人影が近づき、両手を首に降ろしていった……。

 「まりあが敵対する生徒会のメンバーを犯人だと決めつけるものの、彰に説得されてうやむやになる」シリーズ……なのかな? 今のところは推理よりも趣向が先に立っている印象――というか、先に犯人の見当をつけて、こじつけてるわけで。「名探偵」はみんなそう、ってことでしょうか。この調子で行くと最終話の犯人(まりあ推理)は会長さん。思えば『あいにくの雨で』もねちっこい生徒会の話でしたね。麻耶さんの趣味なのでしょうか。「化石少女」というと「化石の少女」みたいだけれど、「化石好き少女」なのだと今さら気づきました。森ガールなんかと同じ用法かあ。
 

「数学者のアタマの中」名越康文×森田真生
 名越さんの言う「朝一〇時に起きたらがっかりした気分になる」ってのはわかるわあ。

 


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