レイ・ブラッドベリ特集。
未訳エッセイ一篇+未訳短篇二篇「生まれ変わり」「ペーター・カニカス」+名作再録「霧笛」「歌おう、感電するほどの喜びを!」+井上雅彦&新城カズマによるオマージュ短篇二篇+追悼エッセイ。
オマージュ短篇がどちらも雰囲気が似通っているのは、ブラッドベリの感染力の高さの表れ? 追悼特集よりも『ミステリマガジン』今月号に再録された「町みなが眠ったなかで」一つの方に軍配を上げます。
瀬名秀明氏はルパン特集の際にも、ルパンシリーズについて鋭いコメントを載せていましたが、今回もブラッドベリのノスタルジーについて要を得た追悼エッセイを寄稿しています。「ブラッドベリはいつも「メタファー」という独特の概念で創作の秘密を語った。説明するのは難しいが、多くの人々の記憶を呼び覚まし刺激するアイコンや象徴のようなものだ。恐竜、MGM、そういうもの。(中略)それらは真夏の湖面に映った太陽のようにきらきらしている。ぼくらはみなそうした眩しい湖面の記憶を持っていて、だからブラッドベリの描くイリノイ州の夏に郷愁を覚える。」
「乱視読者の小説千一夜(21)時を超えた物語」若島正
特集に合わせてブラッドベリ。の編んだアンソロジー。
「第43回 星雲賞受賞者コメント」
パオロ・バチガルピ、テッド・チャンらのコメント。
「書評など」
◆『無力な天使たち』『フランス流SF入門』。
「現代SF作家論シリーズ 番外編 レイ・ブラッドベリ」巽孝之