『無限の住人』
ときどき買うアフタヌーン本誌で飛び飛びで読むので、ストーリーはわからないなれど、戦闘シーンの華麗さかっこよさに惹かれていた作品。初めて通読しました。
――というか、以前に1巻を読んで、まったく違う作風(ヘンタイ剣士バトル)に、それ以上読むのをやめてしまっていたのですが、わりと早いうちから作風が今の傾向に変更されたようです。
剣術の跡目争いに破れたことから浅野家を憎んでいた天津家。天津影久は逸刀流を立ち上げ、浅野家を滅ぼす。浅野家の生き残り凛が復讐のために雇った用心棒・卍は、「血仙蟲」を埋め込まれた不死身の人間だった。一人また一人と逸刀流を倒してゆく卍たち。だが同時に、幕府は目立ちすぎた逸刀流を危険集団と見なし、一網打尽にしようとしていた……。
槇絵がこんなに早い段階で登場していたことに驚きました。使っている武器や戦いぶりのせいで色物かと思っていたのですが、天津影久を凌ぐ実力者だったとは。
凶というかにも人気の出そうなキャラが再登場しましたが、驚くほど弱っちくなっていましたね。再登場させた意味あったのかな……。
何よりも天津影久の性格が変わりすぎでびっくりです。
この漫画の魅力は戦闘シーンの迫力と美しさ、これに尽きます。
『ヘルシング』
吸血鬼を専門に退治する英国の秘密機関ヘルシング。頻発する吸血鬼事件の背後には、ナチスの残党ミレニアムの姿があった。国教会を異端として取り締まろうとするカトリック総本山ヴァチカンも加わり、戦争の火蓋は切って落とされた。
ヘルシングに所属して吸血鬼狩りをおこなう最強の吸血鬼アーカード。そのアーカードに血を吸われ不死となった元警官セラス。このホームズ&ワトソンにも似たでこぼこコンビのキャラクターだけでも面白いはずなのですが……こうして見てしまうと、『ジャンプ』の漫画は物語造りも絵描きも上手かったんだな、と気づかされました。唐突なエピソード、コマごとに歪む顔……あまりにも粗すぎます。
『よるくも』(1)
最下層の世界で生きる殺し屋の話。けなげな料理屋の娘キヨコ、無感情無感覚の殺し屋よるくも。
『花もて語れ』(5)片山ユキヲ
雑誌を移して週刊連載になったため、設定の簡単なおさらいから入るのがちょっとまどろっこしい。本筋の方は、ハナの会社でのポジションと、朗読会の準備のためなかなか会えなくなった満里子さんとの気まずさ、がメイン。朗読されるのは太宰「黄金風景」。これまでほどにはストーリーとの絡みが濃くないと思うのは贅沢な悩みか。
江戸を出るはずだった二人は、通りすがりの遺志を継いで江戸に戻ることに……。正反対のキャラの二人組……というのはよくありますが、このコンビの場合、弁蔵がバカ過ぎに見えるのが気になります。
『天の血脈』(1)安彦良和
日露戦争前夜、古代日韓関係のしるされた碑文を調査しに満州に来た一高調査隊は、ロシア軍に襲われ捕えられるが、内田良平に助け出され、調査を継続する……。リアルな人間の動きや表情とは微妙に違う誇張された表現がときおり顔を出すのが、これぞ漫画という出来で、恐ろしいことに手塚治虫の漫画を連想させます。