『ミステリマガジン』2012年11月号No.681【ブックショップの事件簿】

「容認可能な犠牲」ジェフリー・ディーヴァー小田川佳子訳
 ――暗殺の標的は、本の愛好家だった……(袖コピーより)

「ブック・スィング」ローラ・リップマン/吉澤康子訳
 ――児童書専門店から本が盗まれる? テス・モナハンが真相を探る。(袖コピーより)

「茶色の目の男」ハリス・バーランド/小林晋訳
 ――古本屋探偵サロウビイの事件簿。ゲジゲジ眉の下の目が鋭く謎を斬る。(袖コピーより)

 テーマを絞ると水準が落ちるのは仕方がない。

「7篇のショートショート」『アプルビイふたたび語る』より/マイクル・イネス/宮澤洋司訳
 これはまた珍品が訳されたものです。

山口雅也トークショー&サイン会リポート」

「迷宮解体新書(57) 貫井徳郎」村上貴史
 『微笑む人』。著者が大ポカをやらかしたため当初のプロットを捨てて考えた新たな結末が、「読者がまったく未経験の不気味さ」「とにかく強烈かつ新鮮」というのが読書欲を誘います。

「短篇ミステリがメインディッシュだった頃(6) SAINT(II)」小鷹信光
 

「ミスター・ジョーンズの選択」ジョン・ドゥマイヤー/小鷹信光(Safety for the Witness,John DeMeyer)
 ――殺人の目撃者が口封じに殺されるのを目撃してしまったジョーンズ氏は……。

 英語圏では名前を呼ぶのは一般的なのだろうけれど、ことあるごとに「〜ですね、ミスター・ジョーンズ」と繰り返されると、カフカ的な不条理さえ覚えてきました。

「書評など」
ポケミス『フリント船長がまだいい人だったころ』は傑作でした。泡坂妻夫引退公演』はまだ未読。『無分別』オラシオ・カステジャーノス・モヤは、ヘンな小説好きなら要チェックかな。珈琲店タレーランの事件簿は、「よくできた日常の謎」。『微笑む人』貫井徳郎、『カラマーゾフの妹』高野史緒『瞳孔の中』クルジジャノフスキイも海外小説好きには気になるところ。ロシアで最近発掘・再評価された作家さんだそうです。そして伊藤計劃×円城塔屍者の帝国』、『幻想文学講義 「幻想文学」インタビュー集成』

  


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