『アバンチュリエ』5、「聲の形」、『無限の住人』30、『眠れぬ夜の奇妙な話』

アバンチュリエ』(5)森田崇
 第5巻は「金髪婦人」の続きと「アルセーヌ・ルパン」最初の事件「アンベール夫人の金庫」収録。原作があまり面白くない「金髪婦人」は漫画でもやはり面白くなかったけれど、ルパンがセコイ手を使って何が何でもホームズを排除しようとする理由が、「愛する人を守るため」だとよりはっきりと明らかにされていた点が収穫でした。予告状や脱獄と同様にルパンのやることにはちゃんと意味があったんですね。

聲の形大今良時(『週刊少年マガジン』2013年第12号)
 ネットで話題になっていたので購入しました。口の利けない生徒と、いじめの問題。そう聞くとそっち方面で衝撃的な内容かと思いましたが、むしろいじめっ子/いじめられっ子の構図のほうが面白かった。思春期のもがきという点では『悪の華』に通ずるようなどろどろ感がありました。

無限の住人』(30)沙村広明
 とうとう完結。槇絵×儀一、天津×吐、天津×卍、そして……。天津も吐も当初は悪役だったはずなのにね。みんなこんなにかっこいい戦いを見せてくれるなんて。戦うシーンがかっこよかったこの漫画、何と言っても一番は24巻の馬絽が記憶に残ってます。そして槇絵。どの戦いというのではなく、槇絵の戦い方すべてがかっこよかった。

『眠れぬ夜の奇妙な話』
 『ネムキ』リニューアル創刊に向けての特別号。『百鬼夜行抄』『悪霊退散大作戦』等の新作掲載と、第一回を収録した小冊子付き。

・『百鬼夜行抄ホッシー神隠し村にお泊りに行くと言っていた司が行方不明に……。

・『悪霊退散大作戦』もちをのどに詰まらせてからぼけてしまったおじいちゃんと、壁に消えた猫を元に戻してほしいと依頼されたミチルは、黒田にも声をかけ……。

・未知庵の新作は、暴れん坊の胸。これだけ聞くとエッチに聞こえなくもないけれど、もちろんそんな話ではありません。

・「黒痰虫」あらまき美里。許婚との結婚をいやがるお嬢様が、行商人から買った、本音を言える薬は、お腹のなかから勝手にものをしゃべり出すが……。けだるい感じのお嬢様とポップな行商人の絵柄がけっこう好きな作品でした。

   


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