『町でうわさの天狗の子』『青い花』

町でうわさの天狗の子』(1)〜(10)岩本ナオ小学館フラワーコミックス)

 前々からタイトルが気になっていました。妖怪好きとしては「天狗」は見逃せません。それから「町でうわさの○○の子」という言葉の並びとリズム。――というわけで購入を決めました。

 意外と天狗や妖怪に関する背景が結構きっちり説明されていて、妖怪好き、から入った人でもがっかりしないと思います。

 少女漫画にありがちな、美形による耽美戦闘マンガではありません。もちろん恋愛要素は濃いのですが、命より恋が大事というほどでもなく、学生として当然な程度です。

 全体の雰囲気としては『百鬼夜行抄』に近いです。あちらよりかなり明るいですが。

 天狗と人間のあいだに生まれた秋姫は、人よりちょっと力の強い高校生です。天狗が山に帰る際に母親が引き取りました。父親の康徳坊は山の守護神であるため、地元の人からは慕われていて、天狗の子だからといっていじめられるようなことはありません。秋姫はこのまま人間として過ごしたいのですが、幼なじみの瞬は天狗を目指して山で修行し、秋姫も父親や眷属からは山に入って修行して天狗になることを求められていました。

 志村貴子放浪息子』の千葉さんみたいな赤沢さんという子が出てきます。ただ一点、主要人物以外のキャラが悪意があるほどブサイクなのが嫌ですね。
 

青い花』(1)〜(7)志村貴子(太田書店Fコミックス)
 オガツカヅオ〜『放浪息子』という流れで志村貴子のファンになり、その他の作品にも挑戦。こちらはほぼ女の子ばかり。主人公二人の片方が白いセーラー服、片方が黒いワンピースという、期待を裏切らない白と黒のコントラスト。舞台となるのは、夏休みにイギリスにいる親戚を訪ねます(名前はミス・マープル)という冗談が本気にされてしまうようなお嬢様学校。基本的に女×女の関係が描かれて来たので、第5巻で改めて「怒らせたらいけないひとを怒らせちゃった/たくさんたくさん傷つけて」なんて言葉を聞かされてしまうと、不意打ちのようで、頭のなかに風が吹いてざわざわっとするようでした。

『ぴゅーと吹く!ジャガーも読み返しました。
 

 


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