『S-Fマガジン』2013年7月号No.688【コニー・ウィリス特集】

 『オール・クリア2』ももうすぐ発売。用語集付き。

「エミリーの総て」コニー・ウィリス大森望(All About Emily,Connie Willis,2011)
 ――ブロードウェイの伝説にして『オンリー・ヒューマン』主演女優のクレア・ハヴィランドの前にあらわれたアーティフィシャルのエミリーは、ロケッツの舞台を見て自分もああなりたいと夢を見た。

 ロボット/AIが人間の仕事を奪うかもしれない――という恐れはあまり前面に押し出されてはいないので、SFというよりも夢見る少女一般の話のようです。ウィリス流の『イヴの総て』解釈でもあります。
 

「ナイルに死す」コニー・ウィリス大森望(Death on the Nile,Connie Willis,1993)
 ――ゾーイのガイドブックに書かれてあったのとは違い、ピラミッドは観光客でごったがえしてはいなかった。リッサが夫を殺す? それとも逆? わたしは空想をもてあそぶ。

 クリスティはミステリだけでなく怪奇幻想の分野にも秀作は多い。そんなところにもオマージュを捧げたような作品でした。
 

『SFのある文学誌』19「気球は月世界の夢を見るか――『月世界遊行日記』」長山靖生
 ヴェルヌ以外の月世界旅行譚。

「三島浩司インタビュウ」
 

「書評など」
◆「一九〇七年出版のイタリア古典SF」エミリオ・サルガーリ『二十一世紀の驚異』ロン・カリー・ジュニア『神は死んだ』石橋正孝『〈驚異の旅〉または出版をめぐる冒険 ジュール・ヴェルヌとピエール=ジュール・エッツェル』
 

『パラフィクション論序説』11「あなたは読者である」佐々木敦
 フレドリック・ブラウン「うしろをみるな」、フリオ・コルタサル「続いている公園」、ジーン・ウルフ「デス博士の島その他の物語」

黄瀬和哉総監督インタビュウ」
 攻殻機動隊の新作映画。

「乱視読者の小説千一夜」29「永遠の淵から」若島正

「宮内悠介インタビュウ」
 「(書いていたものは)当時はミステリが多かった」ゆかりでしょうか、ミステリマガジンにもインタビューが掲載されています。

雪舟えまインタビュウ」

 


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