『アフタヌーン』2013年12月号、『銀の匙』(9)、『ミタライ』(2)

 小冊子が廃止されてから早半年、ついチェックし忘れそうになる四季賞の季節がやって来ました。今回は二作受賞。どちらも青春真っ盛りな作品でした。敵役の上げ下げや主人公の挫折と希望など、悪く言えばどちらも型通りの作品、よく言えばすでに型ができていて安心して読める作品でした。

「カワタレ 彼は誰」夏央祐新
 父親が脳梗塞で倒れたため実家である米屋を飛び出し東京に出てきた平太は、雀荘で働かされることに……。

「大駆ける襷」児玉潤
 駅伝チームを眺め一人オッズをつけ悦に入っているゴトー。だがゴトーのオッズは百発百中だった。監督はチームのオーダーを部外者のゴトーに託す。
 

銀の匙』(9)荒川弘小学館サンデーコミックス)
 御影の勉強を見ることになった八軒は、兄のノートを借りることを決意した……。御影の勉強をきっかけに、家族からも逃げずにいられるようになった八軒でした。
 

『ミタライ 探偵御手洗潔の事件記録』(2)島田荘司原作/原点火漫画(講談社モーニングKC)
 第一巻が面白かったので、続いて第二巻を。スリルとスピードのあった第一巻と比べると動きの少ない第二巻でした。無理矢理でも何でも「空飛ぶ紳士」の死体を出現させたかった「山高帽のイカロス」と、強引でも何でも人情話にしたかった「数字錠」、という印象が漫画だと際立ちました。次作は「IgE」だというので楽しみです。

   


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