『謎の物語』紀田順一郎編(ちくま文庫)

 内容に異同があるとはいえ再刊本なので、読んだことのある話が多い。

「恐ろしき、悲惨きわまる中世のロマンス」マーク・トウェイン/大久保博訳

「女か虎か」F・R・ストックトン紀田順一郎

「三日月刀の督励官」F・R・ストックトン紀田順一郎
 

「女と虎と」ジャック・モフィット/仁賀克雄訳(The Lady and the Tiger,J. Moffitt,1948)

 ストックトン「女か虎か」をヘロデ王の時代に設定し、実在・伝説の人物たちを登場させたうえで、登場人物に性格付けをして「女か虎か」の「真説」を描いたもの。リドル・ストーリーの「解答」であって、リドル・ストーリーではありません。
 

「謎のカード」「続・謎のカード」クリーブランド・モフェット/深町眞理子

「穴のあいた記憶」バリー・ペロウン/稲井嘉正訳

「ヒギンボタム氏の災難」ナサニエル・ホーソーン竹村和子

「茶わんのなか」小泉八雲平井呈一

「指貫きゲーム」O・ヘンリー/紀田順一郎

「ジョコンダの微笑」オルダス・ハックスリー/太田稔訳

「野原」ロード・ダンセイニ原葵

「宵やみ」サキ/中西秀男訳

「園丁」ラドヤード・キプリング/土岐知子訳
 

「七階」ディノ・ブッツァーティ脇功

 収録作のなかではO・ヘンリー「指貫きゲーム」が本邦初訳。青ネクタイと黒ネクタイのどちらの男が金時計のほんとうの所有者か。

 


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