『青空エール』14 河原和音(集英社マーガレットコミックス)
送る会に来ていたのは春日先輩ともう一人誰なのかわからなくて前の巻を確認してみましたが、加護先輩でいいのかな? 全国の結果と、先輩たちの引退と、まるちゃんの恋のはなし。
『怪盗ルパン伝 アバンチュリエ』(1)(2)森田崇(小学館ヒーローズコミックス)
掲載誌(と出版社)を変更しての『アバンチュリエ』の続編。第一巻がとっくに出ていたことに気づかず、二冊まとめて購入。第一巻は『公妃の宝冠』。戯曲アルセーヌ・ルパン(ノヴェライズ名『ルパンの冒険』)のことですね。ルパン・シリーズを刊行順に描こうと思うと、この戯曲とルパン対ホームズは難所ですよねえ(^_^、原作が半端じゃなくつまらないですから。それだけに著者の腕の見せどころ、です。
まるっきり覚えていないのですべてが新鮮でした。この漫画シリーズに共通して言えることですが、ガニマールがかっこいい。ヴィクトワールはこの作品が原作初登場、けっこう活躍しています。ソニアの正体、すっかり忘れてました。戯曲の観客向けなので、原作の二番煎じもあります――ルパンがはったりで乗り切るところとか。アルセーヌ・ルパンというよりルパン三世へのオマージュのようなラストが面白い。
第二巻『ユダヤのランプ』
ルパン対ショームズ(ホームズ)の二作目。ルパンものとしてはともかく、ホームズ・パロディというか名探偵パロディとしてはわりと面白い。推理の大枠は間違っていないのに、ただ一点を見誤ったために真相をはずしてしまい、それがゆえにルパンの意図も見抜けなかった……というのは、「ホームズ」という名探偵キャラがあるからこそ活きるプロットです。ミステリとしても「その一言」が実に効果的です。たぶん原作ではここまでの切れ味ではないと思う。それから、「名探偵」相手だといつもルパンの行動がセコくなるので、ルパンものの魅力はあまり感じられません。あと、盗まれた宝物の趣味の悪さがただごとではなく、さりげなく真犯人がルパンではないことを知らせているのかも。ウィルソンは著者ももてあましているんだろうな、という感じで、この漫画シリーズを通してお間抜けキャラです。
『螺旋のドギー』(1)北田おか(小学館IKKI COMIX)
頭部が人間の顔をした犬のような怪物と戦う伝奇ホラー。正体も人を襲う理由もこの巻ではいっさい不明。表紙は百合萌えな感じ(だし、内容の一部にはそんなところもなきにしもあらずなの)ですが、実際は百合でもなければ耽美ともグロテスクとも違います。翳とおバカがバランスよい。
ツナギにゴーグルをしたつり目のかわいくない少女が鉄フック棒(バール)を振り回して戦うファイティングスタイルがかっこいい。第一話目だけやはりほかの回より絵に気合いが入っています。全部この濃さで、というのはやはり難しいのでしょうか。
とはいえ「止まれ」の道路標示を上空のアップからロングになるコマ割りや、湯船のヘリに上半身を預けたところをヘリの下から見上げたようなアングルや、雨の降りしきる場面の雨の表現の仕方など、かっこいいシーンには事欠きません。
初めて二人が出会ったとき伊空が着ていたのがひらひらの服だったので、思わず累が「天…」と言いかけたり、累が伊空を踏みつけている現場にびっくりマークの道路標識があったり(調べてみると「その他の危険」を意味する標識らしい)、思わず笑ってしまうシーンもあります。
その後に破局が訪れることを知ってから読み返すと、P.152の二人の笑顔が痛ましいです。
第2巻は来月発売で、本誌ではすでに連載が終了してしまったようです。しかし表紙が鼻血って……(^ ^;。
『アフタヌーン』2014年2月号
最近低調気味な四季賞に活を入れるべく(?)、「出だしで勝負!新人賞」が掲載されています。応募時の冒頭8ページに、続きも加えられた完全版。
「瀬之浦2小のワールドエンド」午後ソーダ
結晶体の宇宙生命に襲われた地球を救うのは少年たち。思い出せない最後の言葉。アングルや遠近感や描き込みを自由に描いてるのが伝わってくるのに、うるさくなくて読みやすい。こういうのはデビューしてからも変えないでほしいです。
『おおきく振りかぶって』(106)「埼玉県大会4」ひぐちアサ
千朶VS西浦。水谷も三橋も成長しています。
『思春期シンドローム』(12)赤星トモ
夏休みの話。症例4・小説家志望者の決意の話がよかった。
『げんしけん 二代目』(95)「クラッシャーラメ」木尾士目
斑目先輩モテ期の続き。ふっきれた波戸くん。
『それでも町は廻っている』12 石黒正数(少年画報社YKコミックス)
おお。時間軸でいうと一番昔になるのかな。入学時の話。そして、当然計算しているのでしょうね。巻末には「エピローグ」。
『高校デビュー 遠恋編』14・15 河原和音(集英社マーガレットコミックス)
続編の第1巻・第2巻。少女漫画というよりはギャグ漫画だと思って読んでいるので、ギャグ度が多くて大満足。遠恋のはなしと、受験のはなし。