今月号は新人2篇。泉つかさ「あたらしい戦争の話」があらゆる意味で規格外。
「ビンカン彼女」児玉潤
――林聖生は隣の席の高橋さんの巨乳を視界の隅でがっつり見ていたむっつりすけべ。ところが高橋さんは人の感情を肌で感じ取れる能力の持ち主だったため、林の下心はバレバレだった。
「大駆ける襷」で四季賞を受賞した著者による受賞第一作。今回もまた青春ものの型をきっちりなぞった、冷たい言い方をすれば面白味のない作品でした。
「あたらしい戦争の話」泉つかさ
――冷戦後、経済によって国際政治の覇権争いが行われるようになった現代社会。相場予想の女神として「ラプラスの魔女」と呼ばれるフランス人少女が、日本人投資家・神崎の許を訪れる。果たして魔女の予測通りに市場は動いた。少女は本物の魔女なのか、意図は奈辺にあるのか……。
94ページのボリューム、圧倒的な情報量、魔女と投資家による資本戦争、でありながらメリハリの利いた王道の対決もののような読み心地、と、さまざまな面で規格外の作品でした。このごろ停滞していた四季賞ですが、2月号掲載の「出だしで勝負!新人賞」午後ソーダ「瀬之浦2小のワールドエンド」ともども、かつての勢いが戻ってきそうな期待が持てました。
『おおきく振りかぶって』108「埼玉県大会 6」ひぐちアサ
――確実に盗塁を決めてくる千朶。機動力もまた千朶の武器だった。次のバッターで切って反撃につなげることはできるのか……。
部活ものであり成長物語であるスポーツ漫画ですが、いつのまにやらふつうに野球の試合をやっています。みんな成長してます。
『げんしけん 二代目』97「おひっこし」木尾士目
まだまだ続く波戸×斑目。
『月曜日は2限から』(2)斉藤ゆう(小学館ゲッサンSSCS)
居村君はもうすっかり親友になっちゃいました。
『銀の匙』(11)荒川弘(小学館少年サンデーコミックス)
「やりたいこと」が見えてきました。