『ミステリー・ゾーン DVDコレクション』15(アシェット)

ミステリーゾーン』15「遠来の客」「八時間の奇蹟」「No.22の暗示」

「遠来の客」(The Invaders,1961.1.27)★★★★☆
 ――頭を貫くような異音とともに屋根裏に宇宙船が着陸していた。火傷、ナイフ……宇宙人とのたった一人の戦いが始まった。

 リチャード・マシスン脚本。台詞がほとんどなく、無言の攻防に息が詰まりそうです。同じくマシスンの短篇「狙われた獲物」にも通ずる怖さがありました。しかし無言の緊迫感が持続するだけに、最後の最後に、吹替えの宇宙人の叫びが裏返っているのが残念です。何で宇宙人の言葉が……と思った矢先のどんでん返しのタイミングが効果的でした。
 

「八時間の奇蹟」(A Penny For Your Thoughts,1961.2.3)★★★★☆
 ――ヘクター・プールが新聞代を箱に放ると、貨幣は倒れることなく垂直に立った。百万年に一度の奇蹟を体験したプールは、人の考えていることが聞こえるようになってしまった。

 プール役のディック・ヨークが、二枚目なのに剽軽な顔立ちをしており、何ともコメディ向きの外見をしています。『ミステリー・ゾーン』には珍しく、あまり感情を表に出さないタイプの演技に好感が持てました。せっかくの能力を手に入れたのに失敗ばかり……でも最初の失敗がめぐりめぐって――というところから、支店長の浮気押しまで、型通りのよくできた作品です。
 

「No.22の暗示」(Twenty Two,1961.2.10)★★★★☆
 ――入院中のダンサー、リズ・パウエルは、看護婦に霊安室に招かれる夢に悩まされていた。「もう一人入れるわね」。医者は夢だとなだめるが、行ったことのない霊安室の部屋番号「22」をどうやって知ったのか……。

 内容はやや単調でしたが、退院してからのクライマックスはやはりスリリングです。当然期待していて、期待通りの「ボカン」ではあるわけですが。最後の悲鳴を無音にする演出が作品を引き締めていました。
 

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