『天使が開けた密室』谷原秋桜子(創元推理文庫)★★★☆☆

 行方不明になった父親を探しに行く旅費を稼ぐため、アルバイトをしている高校生・美波は、葬儀屋の死体運びのバイトをすることになった。ところが霊安室で見つけたのは葬儀社社員の扼殺死体。現場の状況から美波が犯人として疑われることになった……。

 富士見ミステリー文庫の再刊。つまりラノベなので、ミステリとしてはそれほどではない。ただし作法に則っているところが評価された模様。

  

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【ネタバレメモ】 犯人は実は霊安室に運ばれた死体だった(遺産相続者を盗聴するために狂言死をしたあと、遺産相続を意図的にコントロールするため(=妻より先に死ぬため)自然死に見せかけて自殺。狂言死のあと霊安室に運ばれ、そこでお世話になった看護師を葬儀社社員が脅迫しているのを耳にし、殺害)。タイトルの天使とは、遺体の鼻や喉に詰める脱脂綿一式=エンジェルセットが詰められていなかったことから、遺体は死んではいなかったと見抜くきっかけ+美波の優しい心に打たれて犯行を決意する真犯人の謂い。【/ネタバレメモ】

 

 


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