『ブラックアウト』コニー・ウィリス/大森望訳(新ハヤカワSFシリーズ5005)★★★★☆

 『Blackout』Connie Willis,2010年。

 いくつもウィリス作品を読んでくると、ストーリーをコメディで引き伸ばす、というウィリスの技法にはどうにも食傷気味。ではあるのだけれど、本書の場合にはそれが大戦下のイギリス、ロンドンをじっくり描くことにもつながっているのだからあながち責められません。

 直前になって降下先が変更された理由、現地で降下点が開かない理由、メアリ・ケントやジェラルド・フィップスがどう絡んでくるのか、等々、続編が待ち遠しくて仕方がありません。

 しかし本書のパターンからいうとコマンダーたちは生きている、のでしょうか。

 2060年、オックスフォード大学の史学生三人は、第二次大戦下のイギリスでの現地調査に送りだされた。メロピーは郊外の屋敷のメイドとして疎開児童を観察し、ポリーはデパートの売り子としてロンドン大空襲で灯火管制(ブラックアウト)のもとにある市民生活を体験し、マイクルはアメリカ人記者としてダンケルク撤退における民間人の英雄を探そうとしていた。ところが、現地に到着した三人はそれぞれ思いもよらぬ事態にまきこまれてしまう……続篇『オール・クリア』とともにヒューゴー賞ネビュラ賞ローカス賞三賞を受賞した、人気作家ウィリスの大作。(裏表紙あらすじより)

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