『首斬り人の娘』オリヴァー・ペチュ/猪股和夫訳(早川ポケミス1864)★★★★☆

 『Die Henkerstochter』Oliver Pötzsch,2008年。

 骨太な歴史ミステリ。だが「魔女の印」はいただけない。子供たちが団結の印に使った赤鉄鉱の記号が「♀」を逆さまにしたものだったという強引さ。子供たちが孤児だというのと、赤鉄鉱が母親の出血を止めるときに使うものだ、とこじつけられないことはないけれど。これで一気に興醒めしてしまった。もったいない。

 一六五九年。ドイツ南部の街ショーンガウで子供が殺された。遺体にあった奇妙なマークを見た住人たちは、魔女の仕業だと殺気立つ。そして産婆のマルタが魔女と疑われて投獄される。だが、処刑吏クィズルとその利発な娘マクダレーナは、彼女の無実を確信していた。マクダレーナに恋する医者ジーモンとともに、二人は事件の真相を探りはじめる。しかし、そこに第二の殺人が起きる。街の有力者たちがマルタの処刑を求めるなかクィズルらは真犯人を突き止めることができるのか?ドイツ発のベストセラー歴史ミステリ。(裏表紙あらすじより)

 


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