『幻想文学講義 「幻想文学」インタビュー集成』東雅夫編(国書刊行会)

 澁澤龍彦による「史実」と「事実」の違いに納得。史書に残されているのが「史実」だがそれが「事実」とは限らない、という。

 佐藤さとるがけっこう虚構と現実について真剣に考えていて驚きました。

 以下、気になる作品メモ――龍膽寺雄「放浪時代」、泉鏡花「一之巻」「二之巻」「誓之巻」「照葉狂言」「妖術」「駒の話」、「だれもしらない小さな国」いわさきちひろ挿絵バージョン、ヴィリエ・ド・リラダン「トリビュラ・ボノメ」、ペトリュス・ボレル「悖徳物語」、ジュリアン・グリーン「アドリエンヌ・ムジュラ」、ミシェル・レリス「オーロラ」、ジャン・パウル「村の教師ブーツ」、白井喬司「東遊記」、国枝史郎「蔦葛木曾桟」は雑誌版は未完で単行本版はやっつけ完成版らしい、皆川博子推薦:吉田知子「お供え」、内田百間「冥途」、泉鏡花「高桟敷」、マンディアルグ「ポムレー路地」、高橋たか子「誘惑社」、皆川博子『うろこの家』初版ハードカバーは江戸絵双紙風で凝っていた。久世光彦インタビュー:泉鏡花「星女郎」、赤江瀑『綺羅の鳴く川』、赤江瀑が同人誌「詩世紀」でライバルとされた黒岩伸夫、多田智満子「字遊(自在ことばめくり)」は「字訓」「字統」のパロディ。

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