『ミステリーゾーン DVDコレクション』26・27(アシェット)

ミステリーゾーン』26「ピアノの怪」「人類に供す」「蘇ったジェフ」

「ピアノの怪」(A Piano in the House,1962.2.16,ep87)★★☆☆☆
 ――評論家のフィッツジェラルドは妻エスタの誕生日に自動ピアノを買った。演奏が始まると、陰気な召使いが陽気な笑顔を見せた。剣の舞が始まると、エスタがフィッツジェラルドを罵り始めた。ロマンティックな曲が始まると、友人のグレッグがエスタとの浮気を打ち明け始めた……。

 何のひねりも深みもなく、ただただあらすじ通りの作品でした。
 

「人類に供す」(To Serve Man,1962.3.2,ep89)★★☆☆☆
 ――キャナミッツ人が地球に上陸した。身長二メートルを超えるキャナミッツ人は、質問に答えて言った。地球を助けるため、援助するために来た――。やがてキャナミッツ行きの宇宙旅行が始まったが、キャナミッツ語解読班が衝撃的な事実を発見する……。

 びっくりドンキーみみず肉という都市伝説が以前ありましたが、宇宙人もわざわざこんなめんどくさいことはしませんよね。サスペンスのわりに結末が拍子抜けですが、原題がダブル・ミーニングになっていて、それがオチになっているので、致し方のないところです。
 

「蘇ったジェフ」(The Last Rites of Jeff Myrtlebank,1962.2.23,ep88)★★☆☆☆
 ――葬儀の最中、死んだはずのジェフが棺から起き上がった。だが朝食は減り、人が変わったように仕事が好きになっていた。村人たちは徐々にジェフを怪しみ始める。悪魔が乗り移ったのではないか……。

 中盤あたりは『疑惑』小規模版といった趣でしたが、結局たいした盛り上がりもないまま終盤に。意外なラストも、衝撃とか面白いとかいうほどではなく。
 

ミステリーゾーン』27「星のシンデレラ」「消えた少女」「自分を探す男」

「星のシンデレラ」(The Fugitive,1962.3.9,ep90)★★★☆☆
 ――ベン老人は魔法が使えた。草野球ではホームランを打ち、宇宙探検ごっこでは火星人になった。足の悪い少女ジェニーはベンを慕っていたが、ベンの能力を見た男たちがやって来た……。

 チャールズ・ボーモント脚本。吹替えが度を越して下手くそなのは勘弁してほしいです(★1つマイナス)。タコ社長の吹替えらしい。ジェニーには両親がなく足が不自由ではありますが、不幸な少女ではありません。空想と友だちの少女が現実から逃避するという暗さがない、ひたすらハートウォーミングな作品でした。
 

「消えた少女」(Little Girl Lost,1962.3.16,ep91)★★★☆☆
 ――ミラー夫妻は夜中に呼ばれて娘の寝床に向かったが、声だけはするものの、ティーナの姿は消えていた。ティーナを追って飼い犬も消えた。友人の物理学者ビルは「入口」を見つけ、ティーナたちは四次元の世界に行ってしまったのだと言う。

 リチャード・マシスン原作・脚本。何が起こり何処に消えたのかまったくわからない冒頭は、不気味で恐ろしく、屈指の吸引力でした。しかし、消えたのは四次元の世界だ、とわかってからは、ひたすらティーナを呼び戻そうとするだけの単調な繰り返しでした。四次元の世界を映像化してしまったのも興醒めです。
 

「自分を探す男」(Person or Persons Unknown,1962.3.23,ep92)★★☆☆☆
 ――デビッド・ガーニーは会社に出かけようとしたが剃刀も着替えもない。妻のウィルマを起こすと、悲鳴をあげて「出て行って!」と叫ばれた。会社に行くとクーパーという見知らぬ男がデスクに座っている。なおも自分を主張しているととうとう警察に連行されてしまった。

 チャールズ・ボーモント脚本。この手のテーマは『ミステリーゾーン』でも散々用いられており、何番煎じもいいところです。
 

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