「カナリアたちの舟」、『げんしけん』18、『大奥』12、『青空エール』18

月刊アフタヌーン』2015年8月号
 四季賞出身者の読み切り二篇掲載。

『BLACK-BOX』郄橋ツトム
 新連載。

『フラジャイル』13「岸先生、怖い男と対決です!!」草水敏・恵三朗

『マイボーイ』17 木村紺
 「ラッキースケベ大作戦」全容。木村紺はドタバタが上手いなあ。『からん』や『巨娘』みたいに暴走しないで、この絵柄のまんまドタバタできるのはすごいです。

げんしけん二代目』113「くじびきアンバランス2」木尾士目
 斑目先輩ハーレムの続き――のはずが。恵子と波戸の挑発と意地の張り合いが思わぬ結果を――。
 

カナリアたちの舟』1「その日」高松美咲
 ――陸上部の宇高ユリは進路が決まらず悩んでいた。そんなある日、空から巨大な何かが落ちてきて……気づくとユリは薬剤師の男と二人で、見たことのない世界に来ていた。食べ物こそあったものの何日経っても建物から出ることもできず、薬剤師の北村千宙のやる気のない態度にもユリは苛立ちを隠せなかった。

 四季賞出身新人さん読み切りデビュー作、短期集中連載の第一回。卒業後の進路を決めかねて逃避している高校生が、何の変化もない状況に閉じ込められ、そのうえ自分以上にやる気のない人間を前にして、変わろうとしてゆく――話なのかどうかもわからないほど、この第一回は謎めいていました。宇宙人の襲来なのか何なのか、二人が閉じ込められている場所は何なのか、伏線らしきものがあるのかどうかもわからないまま、来月に続きます。「おもしろい漫画を読んだ時の、すっかり物語に没入してしまう感覚が好きです。なので読んで何かを得るというより、むしろ頭がカラッポになってしまうような漫画を目指していきたいな〜」という作者コメントが素晴らしいと思います。
 

「ナイトメアプロテイン〜現代の魔法少女ラリアット〜」譲
 ――レオは魔法の国を救うため、魔法少女を探しに地上までやって来た。そして見つけた蒼子は何から何まで条件がぴったりだった。ただ一つ――プロレス好きだということを除いて。魔法の杖を使って変身するときは、自分が心から愛しているものにしか変身できないのだ。

 2012冬の四季賞特別賞受賞「金奪撫子」の作者です。よっぽどプロレスが好きなようです。ギャグ漫画なのですが、日本語の言い回しが微妙におかしくて、笑う以前にすんなり読めずにストレスが溜まりました。
 

げんしけん 二代目』18 木尾士目講談社アフタヌーンKC)
 波戸と矢島の漫画完成。ようやくまた漫研らしくなるかも……とはならずに、クッチー卒業旅行。思えばほんとうにウザイ人でした。そしてこの卒業旅行のあと何話目かに、↑アフタヌーン連載の話に続くんですね。やっぱりこの漫画は斑目先輩が主役です。
 

『大奥』12 よしながふみ白泉社 JETS COMICS)
 これにてサイコパス・治済篇も終わりました。この巻は「意外な顔」の巻でしたね。やる気を出した家斉に違和感を覚える老中だったり。VS治済だったり。顔といえば治済の異常性が露わになった顔は本気でおぞましかったです。家斉が男子将軍になった時点で、とうとうここまで来たか……と感慨深いものがありましたし、赤面疱瘡も克服されて物語ももう終わりかな、、、と思っていたのですが、ありがたいことに話はまだまだ続きそうです。
 

青空エール』18 河原和音集英社マーガレットコミックス)
 甲子園が終わり、今度は吹部が全国を目指します。17巻もそうでしたが、試合や演奏が続くと、ただ時間が経過していくだけで、ドラマも何もないのでちょっと退屈です。かといって「試合」を躍動感たっぷりに描くとそれはそれでまったく別の漫画になってしまいますし。

     


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