J・J・エイブラムス監督インタビュウのほか、鏡明、添野知世らによるエッセイ・評論など。
「「オデッセイ」と火星SFの系譜」
もう一つのSF映画&原作特集。
「契約義務」ジェイムズ・L・キャンビアス/中原尚哉訳
――火星のダイモス・コミュニティの契約業者たる士官は、宇宙空間でとある軍事作戦に臨んでいた(袖惹句より)
「乱視読者の小説千一夜(49) 読書する女」若島正
ペーパーバック研究書『American Pulp』について。
「SFのある文学誌(44)『浮城物語』をめぐって――政治小説の終わりと近代小説のはじまり」長山靖生
「書評など」
◆映画 デル・トロ監督『クリムゾン・ピーク』は、「ゴシック・ロマンス、あるいはゴシック・ホラーと言い換えてもいい」、「美的センスが凝縮され」、「ハマる人にとっては(中略)ずっとずっと浸っていたくなるような怪奇な世界観」。開いた城門から見える雪一面のスチール写真がツボ。
◆小川哲『ユートロニカのこちら側』は、第3回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作。その一部が2015年12月号にも掲載されていました。前島賢氏による書評は、褒めているんだかいないんだかよくわかりません。
◆ほかにパオロ・バチガルピ『神の水』、ジーン・ウルフ『ナイト』、日本ホラー大賞受賞・沢村伊智『ぼぎわんが、来る』、シャーリイ・ジャクスン『なんでもない一日』など。スティーヴン・タニー『100%月世界少年』はタイトルが印象的。セサル・アイラ『文学会議』は気になってるんですよね、かなりハチャメチャな小説のようです。
「冲方塾 冲方丁PRESENTS新人クリエイター発掘企画 小説部門マルドゥック・コース優秀作10篇一挙掲載!」
「大森望の新SF観光局(49)ハヤカワ文庫補完計画 補完計画SF篇」
「ぼくらは言葉で生きていく」神林長平×松永天馬
「SFアニメの作り手に聞く“空想世界のリアリティ”」インタビュウ荒木哲郎×牧原亮太郎×宮地昌幸
「近代日本奇想小説史 大正・昭和篇(25)翻訳探偵小説系の奇想小説2」横田順彌
「有機素子板の中」早瀬耕
――ぼくの前で寝台列車に乗り込んだのは三十代前半の女性で、大きなスーツケースを抱えていた。左手の薬指が包帯で隠れているのが微妙だなと思いながら、荷物を持ち上げるのを手伝った。隣同士ということになる。食堂車でも相席になった。彼女がおつまみセットを注文するのを聞いて、「つまらないな」と口に出していた。彼が作れるのは。
『未必のマクベス』の著者で、2015年10月号に「彼女の時間」が掲載されています。「チューリング・テストを応用したアルゴリズムを開発」して出会い系に組み込んだ作品ですが、どちらが内でどちらが外なのか、自分は本当に自分なのか、読んでいるうちにわからなくなってきます。