『洞窟で待っていた』松崎有理(岩崎書店 21世紀空想科学小説)★★★☆☆

 岩崎書店と日本SF作家クラブが組んだジュヴナイルシリーズの一作。

 地下道ならぬ洞窟好きの少年少女に、「『へむ』へむさん」なる漫画も登場する、ちょっとしたファンサービスも。

 妙に細かい蘊蓄を除けば、子どもたちが世界を救うという変哲のないジュヴナイル……なのですが、著者のアンテナはどこに立つか予測不能。「西の古い町」のきなこ団子の知識が得られたりします。

 洞窟探検が好きな男の子、アジマ。「どぼくぎし」になりたい女の子、コマキ。幼なじみで親友のふたりが、六年生になったとき、同じクラスに、これまた変わり者のイーダが転校してきた。「イーダは穴が好きなんじゃないかな」ふたりはイーダを誘い、いっしょに「さくまちちかほどう」へ行くことになったが、通路の入り口の壁にイーダが手をついた、そのとき。「なにかに手をつかまれた」(カバー袖あらすじより)

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