『もう誘拐なんてしない』東川篤哉(文春文庫)★★☆☆☆

 出来不出来の差はあれど、ミステリ魂とオリジナリティには信頼の置ける著者だったのに、本書は何のひねりもないよくあるアリバイトリック。狂言誘拐の筋書きが狂い出して……という二転三転こそあるものの、その巧緻さで『交換殺人には向かない夜』にも及ばず……。

 大学の夏休み、先輩の手伝いで福岡県の門司でたこ焼き屋台のバイトをしていた樽井翔太郎は、ひょんなことからセーラー服の美少女、花園絵里香をヤクザ二人組から助け出してしまう。もしかして、これは恋の始まり!? いえいえ彼女は組長の娘。関門海峡を舞台に繰り広げられる青春コメディ&本格ミステリの傑作。(カバーあらすじより)

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