『ミステリマガジン』2016年7月号No.717【創刊60周年記念号】

 再録コラムと初訳・再録・新訳短篇から成る記念号。特大号ではなく通常ボリュームです。

「天の鉤爪」ロス・マクドナルド田口俊樹訳(The Sky Hook,Ross Macdonald,1948)
 初訳。ケネス・ミラー名義による普通小説。

「エディにわかること」トマス・H・クック/駒月雅子(What Eddie Saw,Thomas H. Cook,2013)
 初訳。殺人犯の息子が主役の、これも普通小説に近い。

「泳ぐ人」ジョン・チーヴァー/菊池光訳(The Swimmer,John Cheever,1964)
 再録。プールを泳ぎ継いで自宅に帰ろうとする男の悲哀。

「二十三貫五百八十匁の死」片親義男(1968)
 再録。三条美穂名義で発表された、「やせる」小説。

「水族写真館」皆川博子(1992)
 再録。

「アイスピック連続殺人」コーネル・ウールリッチ田口俊樹訳(The Ice Pick Murder,Cornell Woolrich,1940)
 ――アイスピックによる連続強殺事件。目撃者の証言によって、犯人は逮捕されたが、すぐに同じ手口の事件が起きる……。

 新訳……しなくてもいいような。。。ウールリッチのロマンチシズムもないので、ただただ古くさいだけの作品でした。
 

 コラムは単行本になっている「コミさんの映画館めぐり」『読ホリデイ』『夢想の研究』等を除けば、志水辰夫小鷹信光の両氏によるコラムが楽しめました。
 

「迷宮解体新書(93)島田荘司」村上貴史
 今さらという感じで大御所登場。『星籠の海』映画化と『屋上の道化たち』刊行につき。『ダ・ヴィンチ』2016年6月号に御手洗もの「香具山の白い衣」が掲載されているそうです。というか6月号自体が御手洗潔特集なのか。

「書評など」
 今月は新・ニューヨーカー短篇集の『ベスト・ストーリーズ II』と、先の『屋上の道化たち』くらいかな。

「ヨルン・リーエル・ホルスト インタヴュー」吉野仁聞き手

「ヨハン・テオリン特別講演 誌上再現」杉江松恋聞き手
 

  


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