再録コラムと初訳・再録・新訳短篇から成る記念号。特大号ではなく通常ボリュームです。
「天の鉤爪」ロス・マクドナルド/田口俊樹訳(The Sky Hook,Ross Macdonald,1948)
初訳。ケネス・ミラー名義による普通小説。
「エディにわかること」トマス・H・クック/駒月雅子訳(What Eddie Saw,Thomas H. Cook,2013)
初訳。殺人犯の息子が主役の、これも普通小説に近い。
「泳ぐ人」ジョン・チーヴァー/菊池光訳(The Swimmer,John Cheever,1964)
再録。プールを泳ぎ継いで自宅に帰ろうとする男の悲哀。
「二十三貫五百八十匁の死」片親義男(1968)
再録。三条美穂名義で発表された、「やせる」小説。
「水族写真館」皆川博子(1992)
再録。
「アイスピック連続殺人」コーネル・ウールリッチ/田口俊樹訳(The Ice Pick Murder,Cornell Woolrich,1940)
――アイスピックによる連続強殺事件。目撃者の証言によって、犯人は逮捕されたが、すぐに同じ手口の事件が起きる……。
新訳……しなくてもいいような。。。ウールリッチのロマンチシズムもないので、ただただ古くさいだけの作品でした。
コラムは単行本になっている「コミさんの映画館めぐり」『読ホリデイ』『夢想の研究』等を除けば、志水辰夫と小鷹信光の両氏によるコラムが楽しめました。
「迷宮解体新書(93)島田荘司」村上貴史
今さらという感じで大御所登場。『星籠の海』映画化と『屋上の道化たち』刊行につき。『ダ・ヴィンチ』2016年6月号に御手洗もの「香具山の白い衣」が掲載されているそうです。というか6月号自体が御手洗潔特集なのか。
「書評など」
今月は新・ニューヨーカー短篇集の『ベスト・ストーリーズ II』と、先の『屋上の道化たち』くらいかな。
「ヨハン・テオリン特別講演 誌上再現」杉江松恋聞き手