『ミステリー・ゾーン DVDコレクション』76・77(アシェット)

ミステリーゾーン』76「特異な症例」「延長戦」「曲がり角」

「特異な症例」(The Curious Case of Edgar Witherspoon,1988.9.24,ep081)★★☆☆☆
 ――ウィザースプーン老人の姪が精神科医に相談に来た。ゴミを集めたり誰もいない空間としゃべったり、おかしな行動が見られた。老人は自分が作った装置で世界のバランスを取っているのだという。

 第3シーズン第1話。久々の吹替え版。冴えない老人がガラクタのような装置で世界の均衡を司っているという、コメディタッチの作品です。
 

「延長戦」(Extra Innings,1988.10.1,ep082)★★★★☆
 ――怪我で引退したエド・ハムナーは、野球を諦めきれず就職もせず子どもと野球カードで盛り上がっていた。自分そっくりの選手カードを見つけたエドは、気づくと何十年前のチームで野球をしていた。

 ちょっと……少女の行動は怖いですよね。エド本人にとってもそれが幸せってことなんでしょうけれど。。。タイムパラドックス的にもそうなる運命だったのでしょうけれども。。。夢見る男と現実的な女という永遠のテーマを描いた作品でもあります。
 

「曲がり角」(The Crossing,1988.10.1,ep083)★★★★☆
 ――マーク・キャシディ神父は、休む間も惜しんで小児病棟建設のために奔走していた。ある朝、自動車事故を目撃した……と思ったマークだったが、見直すと自動車などどこにもなかった。だがマークはふたたび同じ車を目撃する。車の中には知り合いの女性ケリーが乗っていた。マークは、事故死したケリーを自分には助けられたのではないか……という罪の意識をいだいていたのだ。

 すべて成し遂げたあとの、唯一の心残り。わたしら凡人から見たら、マークは完璧を求めすぎとも思えますが、彼のなかでは生涯を賭すような問題だったのでしょう。一人黙して悩むマークから、派手さのない落ち着いたラストシーンまで、てらうことのないマークに相応しい作品でした。
 

ミステリーゾーン』77「姿なき狩人」「私の為に生命を夢見て」「不思議な旅」

「姿なき狩人」(The Hunters,1988.10.15,ep084)★★★★☆
 ――スティーヴ少年が遊んでいるうち壁画のある洞窟を発見した。クライン博士はさっそく調査を開始したが、入口に羊の死体が捨てられるという事件が起こった。開発会社の嫌がらせだと博士は考えたが……。家畜のことが気になった保安官が夜中に洞窟に向かうと、博士が一人で調査を続けていた。

 人形や絵と現実が連動しているというのはよくあるパターンですし、姿の見えない攻撃者が時空を越えてやって来るという恐怖も第1シーズン「現像」に通じますが、主人公が少年なのか博士なのか保安官なのかわからないのでそれゆえのサスペンスがありました。保安官の勇気と機転に恐れ入ります。

 77号からは、小冊子すらページ減。代わりにSF映画の名作として『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』の紹介記事が掲載。もともとどうでもいい記事しかなかったし、むしろ初めからこういう記事にしてくれてたらよかったのに。
 

「私の為に生命を夢見て」(Dream Me A Life,1988.10.22,ep085)★★★☆☆
 ――ロジャー・シンプソン老人は夜毎に悪夢を見ていた。「あの人が出てしまったら自分は死んでしまう!」と訴える老女の夢だった。翌日、ロジャーのいる施設に、夢で見た老女が越して来た。ロジャーは死んだ妻のことや、夢のことを、口のきけない老女にぶちまけた。

 モノクロのホラーのような場面から始まりましたし、繰り返されるその場面は何度見ても怖かったです。老女が何を怯えているのか、ロジャーならずとも不安でなりません。それでも最後には、同じ境遇の者同士だからこそ、痛みを分かち合い、分かり合うこともできました。
 

「不思議な旅」(Memories,1988.10.29,ep086)★★☆☆☆
 ――メアリー・マクルーニは前世の記憶を呼び覚ますカウンセラーだったが、自分の前世だけは思い出せなかった。だが次に目を覚ますと、依頼人は素っ気なく、自分の事務所は別の会社になっていた。その世界では前世の記憶が重要視されていた

 あべこべの世界で知る、知らないことと忘れることの大切さ。何だか『ドラえもん』とか『火の鳥』みたいな話だと思った。
 

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