『ミステリーゾーン』80「タンスの中の怪物」「トランク」「約束」
「タンスの中の怪物」(There Was An Old Woman,1988.12.17,ep093)★★☆☆☆
――絵本作家のパーカーは、長年図書館でおこなっていた朗読会をやめ、別の場所に引っ越すことにした。最後に病弱な少年ブライアンの部屋を訪れ、朗読のあとサイン本を手渡したが、その後、夜中に子どもたちの声が聞こえるようになる。
「(むかしむかしあるところに、)おばあさんがいました……」という決まり文句が英語タイトルになっている作品ですが、「物語の力」という点では第2シーズン「ストーリーテラー」にアイデアも構成も及びませんでした。
「トランク」(The Trunk,1988.12.24,ep094)★☆☆☆☆
――冴えないホテルマンウィリーは、部屋に入ったとき、大きなトランクを見つけた。空っぽの中身を見て「どうせなら1セントでも入っていればいいのに」と呟くと、なかは1セント玉で一杯になった。トランクに願いを伝え、パーティーを開いて、女性にも誘いかけられるが……。
三つの願いの亜流です。前半はそれこそ「願い事が叶う」というだけの話なので間延びしていても当然ですが、オチにそれに見合うだけのキレもありませんでした。
「約束」(Appointment On Route 17,1988.12.31,ep095)★☆☆☆☆
――心臓移植をしたトム・ベネットは、性格が一変していた。やがて何かに急き立てられるように車を走らせ、レストランのウェイトレスをデートに誘う。
第3シーズンのほとんどに言えることですが、始まった直後に先が読める話が何のひねりもなくだらだらと続けられているだけでした。
『ミステリーゾーン』81「宇宙の法則」「宇宙からの使者」「絶望からの再生」
「宇宙の法則」(The Cold Eqouations,1989.1.7,ep096)★★☆☆☆
――ワデン行きの宇宙船で密航者が発見された。ワデンにいる兄に会いたさで乗り込んだ少女だった。だが積載量はギリギリしかなく、少女を乗せたままでは燃料が足りなくなってしまう。密猟者への対応は厳格に決められていた。
トム・ゴドウィン「冷たい方程式」が原作。名作と名高い原作ですが、正直なところ、ことさらに悲劇ぶったこの作品があまり好きではありません。しかし一般的にハッピーエンドに変えてしまうきらいのあるテレビでもきちんと原作通りの結末にしたところは評価できると思います。
「宇宙からの生物」(Stranger In Possum Meadows,1989.1.14,ep097)★★☆☆☆
――ダニー少年が小川で遊んでいると、スカウトという見知らぬ老人と出会い、家に招待する。どこか世間知らずのスカウトが、動物に手をかざすと不思議な現象が起こった。
第3シーズンには珍しく、(ネタバレである日本語タイトルを無視すれば)先が読めない展開ですが、どちらかというと筋運びが巧みというよりは支離滅裂なだけという結果に終わっています。スカウト役のスティーブ・カナリーがいい味を出していました。
「絶望からの再生」(Street Of Shadows,1989.1.21,ep098)★☆☆☆☆
――就職先をさがしていたスティーヴンは、夜道を歩いている途中、つい屋敷に忍び込んでしまう。住人に見つかり拳銃で撃たれたスティーヴンが、意識を取り戻すと、なぜか立場が住人と入れ替わっていた。
発砲やグラスの割れる演出が鬱陶しいうえに、ハッピーエンドのためだけの入れ替わりというご都合主義です。
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