『アフタヌーン』2017年4月号(「星のままたき」栗田知佳ほか)

『シンギュラリティは雲をつかむ』1「誠実な特異点」園田俊樹
 ――統合歴〇〇四二年、空を自由に飛びたい少年カラコは元科学者のジジィとともに飛行実験を繰り返していたが、ある日、かつて天才たちが設計した人型飛行機を発見した。天才ゆえにクラスでも浮いているカラコは、同級生のヒナチカを心なく傷つけてしまう。そんななか、市長であるヒナチカの父親の許をレーンブルグの軍人が訪れ、上空を軍用機が……。

 「瀬之浦2小のワールドエンド」午後ソーダ名義、「おわかれの呪い」の著者による新連載。シンギュラリティを見つけたカラコがジジィに質問をぶつけるシーンや、「飛びたい理由」を問いつめられるシーンの、アップの連続が生き生きとして存在感を放っています。
 

青野くんに触りたいから死にたい』4「もう一人の青野くん」椎名うみ
 ――不登校の堀江さんの家にプリントを届けることになった刈谷さん(と青野くん)。ところが青野くんが家に入ろうとすると何かにはじかれてしまい入れない。刈谷さんが一人で部屋に入ると、堀江さんはホラー映画を見ているところだった。

 これまでのいくつかが伏線だったことが明らかになり、今回はギャグが影をひそめシリアスな内容になっています。やはり幽霊、なのです。
 

ヴィンランド・サガ』136「バルト海戦役12」幸村誠
 ――トルフィンは約束の時間になっても戻ってこない。待ち続けるレイフたちのもとに、トルフィンの知り合いかとたずねる子どもがやって来る……。

 今回は珍しくギャグが光っている回でした。
 

「星のまたたき」栗田知佳
 ――私は先生の話や本の中や映画の中、この宇宙のあらゆるところから、星を見つけるのが好きです。独特の感受性を持っている山田美柑は、それゆえに輝きを持っている他人を嫉妬してしまうこともあった。ある日おつかいの最中、美柑は同級生の西垣と九能に声をかけられる。

 四季賞2016冬のコンテスト四季賞受賞作。不思議ちゃん的な感受性を持った主人公が、良き理解者に巡り会える――思春期の、というよりは、ある意味では生きづらいマイノリティ同士の幸せな交流を描いていると言えそうです。
 

『発症区』14「櫛田梢」いとまん
 ――逃げようとする甲野に対し、櫛田は安田に庇われたことを忘れず、約束通り退却用の車で迎えに行こうとする。迫田には重傷を負わせたもののオート機能に切り替えられ間一髪で防がれてしまった。そして染谷の消耗が……。
 

『聖域コンシェルジェ』8「シュラバ★ラ★バンバ」鈴木ミニラ
 ――充が縁結びの神社にお参りに来たので、愛欲の神ミルフィはほかの神様を頼られて少し不満。退屈していた縁結びの神・恵比音は……。
 

『あやつき』8「獺の件」寺田亜太朗
 ――身に覚えのない犯罪で非難される事件が続発していた。どうやら獺の仕業らしい。盗まれた鞄と立て替えた金を取り返すためと、事件を解決するために、四人は獺を追うが……。 

『冒険エレキテ島』鶴田謙二
 

  


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