『パリより愛をこめて』(From Paris with Love,2010,仏)★★★☆☆

 ピエール・モレル監督。リュック・ベッソン原案。ジョン・トラボルタ、ジョナサン・リース=マイヤーズ、カシア・スムトゥニアクほか出演。

 ジェームズ・リース(ジョナサン・リース=マイヤーズ)はパリ在住の見習いアメリカ諜報員。本人の希望とこれまでの実績を鑑みて、チャーリー・ワックス(ジョン・トラボルタ)とコンビを組むことになった。キャロリン(カシア・スムトゥニアク)との婚約当夜、税関で足止めをくらっているワックスを迎えに行くのが最初の任務だった。ワックスは夕飯を食べに入った中華料理屋で、店員を銃で脅してコカインを買おうとし、従業員と撃ち合いの末、一網打尽にする。戸惑うリースをよそに事態は動き続ける。やがて、リースとワックスが従事しているのは、テロリスト壊滅作戦だと知らされるのだった。

 007にオマージュを捧げたタイトルからもわかるとおりのスパイもの――です? エスピオナージュっぽかったのはリースが一人で諜報活動していた冒頭部分のみで、トラボルタとコンビを組んでからは、ベッソン印の派手派手アクションの連打連打連打。

 これがまたほとほと食傷で。中華料理屋やマネキン倉庫といった、何かが派手に飛び散る舞台で銃撃戦が繰り広げられるので、見た目は鮮やかですが、何度もそんなのばかりでは飽きてしまいます。トラボルタのアクションを「魅せる」演出も却って興醒めでした。絵的に凝るのはフランス映画のいいところなんですけどねー。

 ハゲにヒゲというナッパなトラボルタがかっちょいい。やることなすことでたらめに見えて、ちゃんと考えて行動してます。最初の中華料理店で花瓶に詰めたコカインを、→自分で吸ってヤク中のフリをしてアジトに忍び込む、→軽犯罪対策のため少量しか麻薬を売らないギャングを大量の麻薬で重罪になるぞと脅す、という一粒で二度美味しい意味がありました。いつまで花瓶持ってるんだよ、と思っていたらそういうことだったのか。

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