FMラジオの投書、アシスタントのウェブ日記、病院の日誌、取り調べビデオ、知人からのメールや手紙、小説家の日記エッセイ等で作られたパッチワークからなる、一人のふしぎちゃん少女を中心に起こる謎や事件の数々(ほんとうに数々、なんです。すごい数起こります)。
葉崎FMで町井瞳子が担当するラジオ番組の人気コーナー「みんなの不幸」。ラジオ・ネーム〈ぺんぺん草〉のバイト仲間であるココロちゃんは、お釣りを弁当の上にぶちまけたり、漂白剤と食用油を間違えたりと、とんでもない失敗を繰り返してばかりです。それでも香坂さんはココロちゃんを叱りません。かわいそうなコなんだから――。父に死なれ、母には幼いころから違法にバイトをさせられ、失敗ばかりのせいでとうとう去られ、いまは親切な農家のおばさんの好意で物置にお世話になって、ハーブに水をやっている――!? それってほんとうに親切なんですか――。
という感じで、恐ろしい勢いで事件を引き寄せて(もしくは引き起こして)しまう体質のココロちゃんが、(結果的に)さまざまな事件をあぶり出してゆきます。最終的には新興宗教の幹部たちが勝手に自滅してゆくので、一概にココロちゃんのせいとばかりも言えないのですが。
利用しようと思っていた悪人の方が振り回されていた、天然パワー恐るべし、です。
葉崎FMで放送される「みんなの不幸」は、リスナーの赤裸々な不幸自慢が人気のコーナー。そこに届いた一通の投書。「聞いてください、わたしの友だち、こんなにも不幸なんです…」。海辺の田舎町・葉崎市を舞台に、疫病神がついていると噂されながら、どんなことにもめげない17歳のココロちゃんと、彼女を見守る女子高生ペンペン草ちゃん、周囲の人々が繰り広げる、泣き笑い必至の極上エンタテイメント。(カバーあらすじ)
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