『カンディード』ヴォルテール/斉藤悦則訳(光文社古典新訳文庫)★★★☆☆

 新訳ということで、「いやー」「あ、どうぞ」「このバカ殿」といった俗っぽい表現が用いられています。

 解説者も訳者もこの作品の現代的な意義を力説していますが、本書における思想的な対立の存在しない現代のこの日本でアクチュアルな作品だと言い張るのは、さすがに持ち上げすぎだと思います。

 諷刺としても弱く、悪意も笑いも少ない。

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