「私の一冊 シャーリイ・ジャクスン『丘の屋敷』」澤村伊智
「怪奇・幻想小説の新しい地平」
「騒擾博士」西崎憲
「感応グラン=ギニョル」空木春宵
「トーテンレーベンの三博士」アレクサンダー・レルネット=ホレーニア/垂野創一郎訳(Die Heiligen Drei Könige von Totenleben,Alexander Lernet-Holenia,1935)★★★☆☆
――三十年戦争のフランス軍総司令官テュレンヌ元帥は、ある突飛な決意をかため、公現祭の日(東方の三博士の来賓を祝う日、一月六日)に低マイン地方に姿を見せた。三博士の衣装を着て村まで行くと、同じく三博士の扮装をした二人の男がいた。スウェーデン軍の総司令官と神聖ローマ帝国軍の総司令官だった。「誰にも邪魔されず相談したかった。この恰好を見れば、誰もが公現祭の扮装をしていると思うだろう」
幼子の誕生によって三博士に心の平和がもたらされ、ちょっとした暗合とささやかな安らぎが余韻を残します。
「対談 恩田陸×東雅夫 「怪奇小説の時代」」
デビュー当時のことや、怪奇小説との出会い、『幽』連載、『平成怪奇小説傑作集』など。
「〈奇妙な味〉随想 熊の掌会」南條竹則
「怪奇小説翻訳概況」高橋一太
個々の解説よりも少しでも多くのタイトルを紹介しようという意図が窺えます。
「怪奇・幻想小説の装丁を語る」柳川貴代
創元推理文庫でもお馴染みの装丁家インタビュー。『山尾悠子作品集成』や『アンドロギュノスの裔』も手がけていたのですね。
「「探偵小説万歳《ヴィーヴ・ル・ロマン・ポリシエ》!」――ポール・アルテ氏を迎えて」芦辺拓
「翻訳ミステリ四十年 (第1回)今さらながら軽ハードボイルド」松坂健・新保博久
新潮文庫が文庫オリジナルでミステリを出したのが衝撃だった、という『シャードー81』の思い出はともかく、その後は「軽ハードボイルド」の諸作についてですらなく、ただただ定義を巡るとりとめのない会話だけで終わってしまいました。
「嗜好機械の事件簿(15)地獄の手毬唄」喜国雅彦
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