「おおきく振りかぶって」159「はじまりの冬3」ひぐちアサ
母校やかつて在籍していた少年野球チームにスカウトに。こういうのはほかのスポーツ漫画では描かれないので新鮮に感じつつ、高校生に何やらせてんだよと思う反面、こういうことの方が社会に出てから役に立つのかなと思ったり、漫画と関係ないことを感じた回でした。そして花井の感情は恋愛感情なのか仲間意識なのか。
「スキップとローファー」17「ルンルンの夏休み明け」高松美咲
はしゃぐみつみに、落ち着いて見える志摩くんでしたが、志摩くんの気持がはっきり言葉で表現されたのははじめての気がします。そしてその後のフォロー(?)がみつみらしい。
「フラジャイル」68「反逆者の暗躍」草水敏/恵三朗
製薬撤退なんかさせまいと根回しを続ける火箱たち。
「猫が西向きゃ」12「The tail is beyond the snow」漆原友紀
雪の降る冬に夏に戻って螢が舞うフローが発現。ぐんぐん時間は遡り夏祭りの季節になったフローのなかに、妻との約束を求めて……。
「政略結婚したくない!」来島佐鳥
――大正時代。十二歳のそのかに父親が許婚を決めて来た。婚約などしないと言いつつ、二歳年下の初蔵のあまりの可愛さに絶句するそのかだったが、意地になって結婚しないと言い張り続ける。
四季賞一次選考落選作。新連載の予定も決まっているそうです。基本的にはギャグ漫画です。確かに絵も地味だしメリハリもありませんが、カラー扉という破格の扱いでもあり、ここからどう化けたのか楽しみです。
「ヴィンランド・サガ」168「西方航路2」幸村誠
ヴィンランド航海に向けて乗組員募集中。
『リボーンの棋士』(5)鍋倉夫(小学館BIG SPRITS COMICS)
――アマ竜皇になりプロとの対戦資格を得た安住の対戦相手は、かつての師・伊達七段でした。ストイックで求道的な姿勢から怖がられていた伊達も、病気を境にして柔らかくなっていました。
師弟対決の巻の帯に、藤井翔太の師である杉本八段の言葉をもらうという、心憎い演出がなされています。
『アルマ』(1)三都慎司(集英社ヤングジャンプコミックス)
――町で二人暮らすレイとリチェは、生き残っている人間を見つけるため歩き回っては地図を作っていた。そんな二人の日常は、突然やって来た機械によって終わりを告げる。
四季賞出身者による新作です。読み切り「アルマ」とはまた別の物語です。一話目の気合いの入りようが恐ろしいほどで、第一話だけでも何度でも読み返せます。第三話「群青」で、手を伸ばすシーンもグッときます。著者twitterによると「希望をタスキのようにつないでいく話」ということなので、もったいないくらいに次々と新しい展開が待ち受けています。
『金剛寺さんは面倒臭い』(5)とよ田みのる(小学館ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)
――金剛寺さんの両親のなれそめ。金剛寺さんと樺山くんの二人旅。プロポーズ。そして地獄と極楽の戦争の始まり。
ギャグ漫画としてトップギアで走り続ける最新刊は、ハッピーエンドですが最終巻じゃないというそれだけで笑えます。いきなり「418年前」も可笑しすぎます。あとがきも面白すぎます。ああこういう人がこういう漫画を描いているんだなあと納得してしまいました。
『ドラえもん』(0)藤子・F・不二雄(小学館てんとう虫コミックス)
各種媒体に掲載されたドラえもんの第一話を集めたもの。『よいこ』『幼稚園』『小学一年生』『小学二年生』『小学三年生』『小学四年生』にそれぞれ掲載されました。年齢が上がるに従って設定の細かい説明が入っていることがわかります。現在知られている第一話は『小学四年生』版がもとになっています。『小学二年生』版の金属光沢のあるドラえもんが衝撃でした。まぶたではなく眉毛で表情を表現しているのが不思議な感じがしましたが、確かめてみるとコミックスでもそうなってるんですね。単行本未収話を集めた『ドラえもん プラス』が出ていることを初めて知りました。
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