『GOSICK RED』桜庭一樹(角川文庫)★★★☆☆

 旧大陸から新大陸に舞台を移し、探偵になったヴィクトリカと新聞記者になった一弥が活躍する、GOSICKシリーズの新シーズン第一作です。

 ヴィクトリカの許に、こともあろうにギャングが依頼に訪れます。抗争で命を落とすギャングも多いなか、動機もわからない不可解なギャングの死が三件続いている、ついては犯人を捕まえろ、さもなくば……。

 ヴィクトリカと一弥は、人質に取られた緑青を取り戻すため、ギャング連続殺人の捜査に取りかかります。

 当然ながら旧シリーズのレギュラーキャラクターである寮母さんやグレヴィール警部は登場せず、代わってカメラマンのニコやその親戚のレベッカ赤毛の管理人さんやベンジャミン刑事がこれからレギュラーになりそうではありますが、まだまだ印象が薄いのは否めません。

 旧シリーズには古典的な物理トリックを再利用しているという特徴もありましたが、この作品ではそういったこともないようです。

 黒幕らしき人物が今後シリーズ全体を通してヴィクトリカたちの前に立ちふさがりそうな終わり方でした。

 世界一キュートで博覧強記な名探偵、でも相棒の一弥に迷惑かけまくり……のヴィクトリカがニューヨークにやってきた! 禁酒法下の街にはジャズの音色が響き、危険な銃声も轟く。ヴィクトリカはさっそく探偵事務所をオープンし、一弥は新聞記者に。だがある日、闇社会の男からギャング連続殺人事件の捜査を頼まれたことから、2人は全米を揺るがす大陰謀に巻きこまれて――!? No.1ゴシックミステリシリーズ。新章、開幕!(カバーあらすじ)
 

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