『ハコヅメ』18、『スインギンドラゴンタイガーブギ』5、『紙一重りんちゃん』1、『勇気あるものより散れ』1

『ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜』(18)泰三子(講談社モーニングKC)
 時系列的には『別章アンボックス』の続きです。西川係長とカナがいなくなったことは、さらっと触れられていました。如月部長がけっこうガチで川合に気があるようで驚きます。牧高の変態度合いがこの巻で一気に上がりました。156話の最後のページに描かれた女性が髪型も表情も川合っぽくないのですが、何か意味があるのでしょうか。意味ありげに顔を隠す缶サワーも気になります。
 

『スインギンドラゴンタイガーブギ』(5)灰田高鴻(講談社モーニングKC) 
 本誌連載は終了していますが、コミックスはあと1巻つづきます。バンドはバラバラ、とらちゃんは悩みながらもデビュー、小田島たちは志磨と再会し、それぞれの道を進んでゆきます。ちばてつや賞入選作「しろい花」併録。

紙一重りんちゃん』(1)長崎ライチKADOKAWAハルタコミックス)
 『ふうらい姉妹』の長崎ライチによる最新作。『阿呆にも歴史がありますの』収録の同名作品とは若干ちがうようです。りんちゃんの苗字や、先生や友だちの髪型は同じですが、学年が三年生から五年生になっています。「誰だよ‼ コイツ委員長にしたの(オレか…)」(p.051)や、p.064で社長が「復帰」しているというコメントを見て、それ以前にそんな描写はなかったのに?と読み返してしばらく悩んでしまいましたが、社長の復帰の方は忘年会で当たった魔法の杖で「飛んだ」(p.040)状態から復帰したということのようです。いつもクールなこだまちゃんが海に行くとはしゃいでしまうのが子どもらしくて微笑ましい。
 

『勇気あるものより散れ』(1)相田裕白泉社ヤングアニマルコミックス)
 『ガンスリンガーガール』『1518! イチゴーイチハチ!』の相田裕による最新作。戊辰戦争で死に損ねた元会津藩士・鬼生田春安は、大久保利通の護衛をしていた不老不死の女性・九皐シノと剣を交え、またも死に損ね、シノの血を分け与えられる。歴代の為政者により不死者製造器として孕まされ気の触れてしまった母親を殺すのがシノの願いだった。同人誌版『青頭巾』や本書連載スタート時に読んだときにはあまり面白いと感じなかったのですが、通して読むとちゃんと面白い。ただ、やはりテンポが速過ぎるというか、誰も彼もが何の葛藤もなく物わかりがよすぎて物足りないのは事実です。『ガンスリンガーガール』にしても『イチゴーイチハチ!』にしても、人間ドラマを描くのに長けている人だと思うので、今後もっと描き込まれてゆくことに期待します。鬼九郎は昔の侍だから一重で目が細いのでしょうが、そのせいで漫画的な表情表現に乏しくて盛り上がりに欠ける原因の一つになっているとも思いました。サブタイトルの「She Know Why Kill」に三単現のsがついていないのは、「シー・ノ-・ワイ・キル」で「シノは生きる」ということのようです。
 

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