『サンリオ男子 俺たちの冬休み』静月遠火(メディアワークス文庫)
サンリオ好きのイケメン男子が登場する女子向けアニメの小説版、らしい。
『パララバ』『ボクらのキセキ』『真夏の日の夢』『R&R』の静月遠火が担当していることからわかる通り、当然のようにミステリ要素が取り入れられています。
俊介の叔父が経営する旅館の従業員が全員ギックリ腰になってしまったため、俊介に頼まれた誠一郎、康太、祐、諒は、冬の北海道に向かいます。叔父に対する違和感、飼い猫は真っ白なはずなのに落ちていた黒い毛、開かずの間の窓に見えた人影……やがて開かずの間に保管していた予約客からの預かり物が紛失し、その前夜には奇怪な物音が――。
飽くまで『サンリオ男子』というキャラクターメインの作品なので、ミステリの真相は他愛ないものですし、叔父に対する違和感にいたってはギャグでしかなかったのですが、全員がギックリ腰という無茶苦茶な設定をはじめ、テンポのいいギャグが冴えているので、単純に面白かったです。
旅館の部屋の名前にありがちな「エゾギクの間」「スズランの間」「ナナカマドの間」に混じって「~ゾウの間」を配置することで「~草の間」だと思わせるという、伏線としてのギャグも笑っちゃいました。本当にミステリにこだわってます。
学年も性格も違うイケメン5人の共通点は、“サンリオのキャラクターが好き”な事。
ある日、北海道で旅館を営む俊介の叔父さんから「従業員の殆どがぎっくり腰になってしまった!」とSOSが届いた事を切っ掛けに全員で冬の北海道へお手伝いに行く事に。美しい雪景色を楽しみつつ、慣れない仕事に奮闘するサンリオ男子達だったが、宿泊者の荷物が無くなるという事件が発生し――!?
サンリオ男子達の煌めく青春の1ページがここに。(カバーあらすじ)
[amazon で見る]