『だいぶつさま おまつりですよ』苅田澄子文/中川学絵(アリス館)
『だいぶつさまのうんどうかい』に続く、〈だいぶつさま〉第2弾。
運動会に続いて今回はお祭りです。なるほど大人数が集まるのでもってこいです。
お釈迦様はわたあめ作り。阿弥陀如来はたこ焼きを食べて印を結んでしまっています。
梵天様があめ細工を作っているのは、創造神ブラフマーだからでしょうか。仁王様のかき氷屋、シロップの種類に「いちご」「メロン」「レモン」「さとり」があります。悟れる……のでしょうか!?
金魚すくいをしているのは阿修羅と誰でしょうか。螺髪なので如来なのでしょうけれど、消去法で薬師如来かなあ……? 店番の弁天様がジャージなのがめちゃくちゃ面白いです。実際いるなあ、こういうねーちゃん。
お面屋の十一面観音も完全にテキ屋のおっさんです。
大イタチといえば見世物小屋の定番らしいのですが、本物のおばけがいるというのに「恐怖大イタチ」を売り物にしているのが可笑しい。
そして次のページが絵本の絵本たる所以というか、ちゃんとお化け屋敷がお化け屋敷しているのが嬉しかったです。大きすぎて邪魔とか便利とか以外で大仏の大きさがしっかり活かされていました。
驚いた天神様が雷を出しているのが可愛いです。逃げているのは千手観音でも十一面観音でもなく、不空羂索観音だそうです。ややこしい。
だいぶつさまのおばけやしきに並んでいる兜をかぶっているような後ろ姿は誰でしょう。扉の階段にも三~四で一緒に描かれていて、そのうちの一人が毘沙門天みたいな人と同じ柄の着物を着ているということは四天王の一人でしょうか。それとも十二神将? 着物の柄が誰の象徴かわかればいいんですけどねえ。
次のページでは盆踊りが始まりました。楽器隊は仁王兄弟と七福神。弁天と戎と毘沙門天は別人というわけではなく盆踊りのために集合したということでしょうか。頭がとげとげなのは伐折羅大将ですね。
次のページも盆踊り。登場人物表には描かれていたのになかなか見つけられなかったぬらりひょうんがようやくいました。目立たない! そしてろくろ首の横にいる紺の着物の青い肌の人は蔵王権現のようです。
弥勒が最後にしれっと決めポーズを決めています。
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