『ヒズ・ガール・フライデー』(His Girl Friday,1940,米)★★☆☆☆

ヒズ・ガール・フライデー』(His Girl Friday,1940,米)

 『ヒズ・ガール・フライデー』(His Girl Friday,1940)
 ――新聞記者のヒルディ・ジョンソンは、新聞社を辞めようとして、元夫の編集長ウォルター・バーンズと言い合っていた。ウォルターは黒人警官殺しの容疑で勾留されている死刑囚ウィリアムスの取材をヒルディに任せようとしたが、ヒルディはブルース・ボールドウィンと再婚する予定であることを打ち明けて突っぱねる。ウォルターはあの手この手を尽くしてヒルディとブルースの故郷行きを阻止しようとするが上手くいかない。ウィリアムスには精神疾患があるにもかかわらず、黒人票のために有罪になったと知り、ブルースから新聞で無罪を訴えればと提案されたこともあり、ヒルディはウィリアムスへインタビューをおこなう。そのインタビュー記事をびりびりに破いて電話でウォルターに聞かせてみせたヒルディだったが、その直後にウィリアムスが脱獄するという事件が起きる。

 ハワード・ワークス監督。ケーリー・グラントロザリンド・ラッセル、ラルフ・ベラミー、ジョン・カーレン、アブナー・ビーバーマン他出演。

 ビリー・ワイルダー監督『フロント・ページ』と同じ原作戯曲からの二度目の映画化(『フロント・ページ』は三作目)。

 あまりにも若いのでウォルターがケーリー・グラントであることにしばらく気づきませんでした。野心家な感じだからイメージと合わないし、ヒルディ記者が女性で元妻にされていたのでてっきり当て馬だと思ってしまいました。

 しかもこの性別変更が大失敗。ウォルターとヒルディを男女の間柄にしてしまったことで、ヒルディを引き留めるためのウォルターの嫌がらせがことごとく醜い嫉妬にしか見えず、笑えません。ハリウッドでウケるためにはロマンスにするのは仕方なかったのでしょうが、肝心のコメディ部分に影響を与えてしまっては本末転倒です。記事に夢中になってからブルースを邪魔扱いするのも、あらかじめもっとブルースをいけ好かない奴に描いておけばもっとすっきり笑えるのに。

 警官殺しが事故ではなく、精神病者を利用した殺人というのも、中途半端ですっきりしません。

 せっかくのスクリューボール・コメディですが、字幕で見る分には字数が限られているため、この映画の個性が消えてしまいます。それでもヒルディがひたすら文句を言っているシーンは威勢がよくて笑ってしまいます。

 タイトルはロビンソン・クルーソーのフライデーに由来する「girl Friday(忠実で有能な女性アシスタント)」の意味で、男版の「man Friday」という言葉もあるそうです。

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