『レヴォリューションNo.3』金城一紀(角川文庫)★★★☆☆

『レヴォリューションNo.3』金城一紀(角川文庫)

 落ちこぼれ男子高校生集団ザ・ゾンビーズの日々を描いた三篇を収録。

 マニーとピーニスを武器と信じる四か国の血を引くアギー、超絶的にツキのない山下、ヤクザもスカウトに来た在日朝鮮人の舜臣ら、マンガチックなキャラがおバカなことをするしょーもない冒険譚です。

 kindle版のカバーも「1+1=3」というおバカ丸出しのものですが、私の持っているバージョンはおバカ小学生漫画『団地ともお』の小田扉がイラストを描いていて、おバカ度では負けていません。

 ビートルズの言葉と共にゾンビーズの言葉がエピグラフとして掲げられているので、てっきりバンドのゾンビーズが「ギョウザ大好き!」と言ったのかと思ってしまったわたしもおバカでした。
 

「レヴォリューションNo.3」(1998)★★★☆☆
 ――新宿区には進学校ばかり集まっているが、僕の高校は新宿区にたった一校だけ存在しているオチコボレ男子校だ。進学校の連中からはゾンビと呼ばれている。曰く、脳死状態だから。曰く、殺しても死にそうにないから。見方を変えれば僕たちはヒーローの資質を備えているというわけだ。あれは僕たちがまだ一年坊主だったとき、生物のドクター・モローが誰にともなく言った。「君たち、世界を変えてみたくはないか?」ドクター・モローは続けた。「勉強の得意な奴らと同じ土俵で戦っても勝てないぞ。君たちが持っているなんらかの才能を見つけ出し、その才能の世界で生きるんだ」「才能が見つからなかったら?」「勉強の得意な遺伝子結合を阻止してやれ」「つまり勉強の得意な女の遺伝子を獲得しろってことですね?」その言葉に感電した連中が集まって『ザ・ゾンビーズ』を発足させ、良家の子女が通う聖和女学院の学園祭に潜り込もうと決心した。

 タイトルはビートルズの「Revolution 9」にあやかったと同時に、三度目の作戦を意味するものと思われます。入場を拒否されているお嬢様学校の学園祭に如何にして入り込むかという、あまりにもくだらないバカ男子高生そのものの顚末が描かれています。しかしそのくだらない行動も、教師の一言によって、だらだら生きている落ちこぼれたちに起こった変化であることに間違いはないのでしょう。リーダーの死は安易という気もしますが、高校生くらいの若さだとそのくらいの出来事でもないと、生というものを意識できないだろうな、とも思います。
 

「ラン、ボーイズ、ラン」(1998)★★☆☆☆
 ――最後の襲撃から三ヵ月が経った。ザ・ゾンビーズは卒業を機に解散するのだけれど、まだやり残したことがあった。リーダーの墓参りのために沖縄に向かわなければならなかった。そんなわけで一ヵ月の停学期間と冬休みを利用してアルバイトをして旅行資金を稼いだ。ところが史上最弱のヒキを持つ男・山下が、就職が決まっている信用金庫の営業活動への試金石にしようと、旅行代金の管理をすると言い出した。山下の夢である信金王の、王という言葉の響きに僕たちはやられてしまった。だが案の定と言うべきか、山下は百二十万をカツアゲされてしまう。僕たちは新たなアルバイトをしつつ、カツアゲ犯を見つけて金を取り返そうとした。その一方、僕は付き合い始めた女の子となかなかうまくいかなかった。

 リーダーの墓参り旅行資金を盗まれたため取り返す話。
 

「異教徒たちの踊り」(2001書き下ろし)

 「君たち、世界を変えてみたくはないか?」オチコボレ男子高に通い、死んだような毎日を送っていた「僕たち」は生物教師ドクター・モローの言葉で突如生き返り、世界を変えるために行動を開始する。その方法は――難攻不落のお嬢様女子高の学園祭に潜入してナンパをすること! 果たして「僕たち」の潜入作戦は成功するのだろうか⁉ 革命的おバカストーリーが炸裂する、ザ・ゾンビーズ・シリーズ第1弾!(カバーあらすじ)

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