『しゃばけ』畠中恵(新潮文庫)★★☆☆☆

 いやまさかここまでファンタジーど真ん中だとは思わなかった。読む前は例えば江戸を舞台にした『百鬼夜行抄』みたいなのを想像していたのだ。江戸を舞台にした『たるるーとくん』とか『金田一少年』とかそんな感じだった。キャラクターで小説を読む人なら楽しめると思う。わたし自信はキャラクターだけに依存するような読み方はできないし、ツボを押さえたキャラ造り=どこかで見た人たちばかりに思えた。ミステリとしても、あくまでミステリのある作品だと思って読んだほうがいい。

 江戸有数の薬種問屋の一粒種・一太郎は、めっぽう体が弱く外出もままならない。ところが目を盗んで出かけた夜に人殺しを目撃。以来、猟奇的殺人事件が続き、一太郎は家族同様の妖怪と解決に乗り出すことに。若だんなの周囲は、なぜか犬神、白沢、鳴家など妖怪だらけなのだ。その矢先、犯人の刃が一太郎を襲う…。愉快で不思議な大江戸人情推理帖。日本ファンタジーノベル大賞優秀賞。
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しゃばけ
畠中恵
新潮社 (2004.4)
ISBN : 410146121X
価格 : ¥540
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