『挿絵叢書 竹中英太郎(一)怪奇』末永昭二編(皓星社) 挿絵叢書というシリーズ名からわかるとおり、「可能な限り発表当時のレイアウトに近づけ」「必ずしも傑作小説集を目指さず、あくまで挿絵の魅力を堪能しうる作品を選」んだ(「序」より)ものであり…
『くにさきの鬼』中川学絵(六郷満山日本遺産推進協議会)★★☆☆☆ 大分県国東市の日本遺産「鬼が仏になった里『くにさき』」のストーリーPR絵本。 まず「地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリー」という日本遺産の定義の「ストー…
『だいぶつさま おまつりですよ』苅田澄子文/中川学絵(アリス館) 『だいぶつさまのうんどうかい』に続く、〈だいぶつさま〉第2弾。 運動会に続いて今回はお祭りです。なるほど大人数が集まるのでもってこいです。 お釈迦様はわたあめ作り。阿弥陀如来は…
『だいぶつさまのうんどうかい』苅田澄子・文/中川学・絵(アリス館)★★★★☆ 泉鏡花の絵本で知られる僧侶イラストレーター中川学による絵本。これしかないという人選です。 仏様の運動会に大仏様も参加するけれど、大きすぎて失敗ばかり。ようやくのことで組…
『じゅんびはいいかい? 名もなきこざるとエシカルな冒険』末吉里花・文/中川学・絵(山川出版社) 泉鏡花の絵本でお馴染みの中川学が絵を担当している絵本です。 地球の危機に対しこざるが或る兄妹を世界各国の合理産業の現場に連れ出して見せて、エシカル…
放送作家が監修した〈お笑いえほん〉シリーズの一冊。ほかに笑い飯&川崎タカオや板尾創路&片山健もあるようです。 中川学のイラスト目当てで購入しました。ストーリーは立川志の輔の落語「七福神」がもとになっているようです。 これまで泉鏡花や柳田國男…
『貝の穴に河童の居る事』泉鏡花/石塚公昭(波濤社) 乱歩人形でおなじみの人形作家による、泉鏡花作品の絵本化。 灯ともしの翁が一人、社の階に立出づる。蒼ざめた小男が、柏手のかわりに痩せた胸を三度打った。「願いまっしゅ。……お晩でしゅ。」「和郎わ…
なおみは いる/いつも/わたしの うまれる/ずっと まえから/なおみは いた/わたしの そばに 日本人形の「なおみ」とともに成長する少女の記録……「こどものとも」シリーズのハードカバー復刊。 途中までは人形を人間のように扱いままごと遊びをする少女の…
『アリス』の新訳、というよりもむしろ、トーベ・ヤンソンが描いた『アリス』がついに刊行されました。“わざわざ新訳”というプレッシャーがないせいでしょう、かなり自由気ままに訳されてます。「寂しげで昏い」「頼りなくて儚げ」というヤンソン・アリスの…