『ペルディード・ストリート・ステーション』チャイナ・ミエヴィル/日暮雅通訳(早川書房〈プラチナ・ファンタジイ〉)★★☆☆☆

SF

『ペルディード・ストリート・ステーション』チャイナ・ミエヴィル/日暮雅通訳(早川書房〈プラチナ・ファンタジイ〉) 『Perdido Street Station』China Miéville,2000年。 チャイナ・ミエヴィル初期の「スチームパンク的」作品です。三部作の第一作です…

『無益な殺人未遂への想像上の反響 ギリシャ・ミステリ傑作選』ディミトリス・ポサンジス編/橘孝司訳(竹書房文庫)★★☆☆☆

『無益な殺人未遂への想像上の反響 ギリシャ・ミステリ傑作選』ディミトリス・ポサンジス編/橘孝司訳(竹書房文庫) 『Ελληνικά Εγκλήματα 5』επιμέλεια Δημήτρη Ποσάντζη,2019。 珍しいギリシャ・ミステリのアンソロジーではありますが、「傑作選」という…

『サン゠フォリアン教会の首吊り男』ジョルジュ・シムノン/伊禮規与美訳(ハヤカワ・ミステリ文庫)★★★☆☆

『サン゠フォリアン教会の首吊り男』ジョルジュ・シムノン/伊禮規与美訳(ハヤカワ・ミステリ文庫) 『Le Pendu de Saint-Pholien』Georges Simenon,1931。 『サン・フォリアン寺院の首吊人』の新訳です。 刊行順では『死んだギャレ氏』と共に1番目、執筆…

『幸せな家族 そしてその頃はやった唄』鈴木悦夫/高田美苗・挿絵(中公文庫)★☆☆☆☆

『幸せな家族 そしてその頃はやった唄』鈴木悦夫/高田美苗・挿絵(中公文庫) 『The Blessed Family ......And the Old Dear Song』1989年。 全国の子どもにトラウマを植えつけたという触れ込みの児童文学が復刊されました。幸せな家族がテーマのCM撮影を…

『教場0 刑事指導官・風間公親』長岡弘樹(小学館文庫)★★☆☆☆

『教場0 刑事指導官・風間公親』長岡弘樹(小学館文庫) 教場シリーズ三作目は、『教場』以前――風間の刑事時代の物語です。『教場2』が期待外れだったので本書を読もうか迷ったのですが、倒叙ものとあっては読むしかありません。出来不出来の差が激しい作…

『ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城』(東宝,2026)★★★☆☆

『ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城』(東宝,2026) 監督:矢嶋哲生、脚本:村山功、主題歌:sumika。 言わずと知れた『のび太の海底鬼岩城』(1983)のリメイク作品です。 観ていて気になるところが出て来て、わたしが大人だからツッコミどころに引っか…

『比翼』泡坂妻夫(光文社文庫)★★★☆☆

『比翼』泡坂妻夫(光文社文庫) テーマごとに四部に分けられた短篇集。職人・奇術・恋愛・ホラー・人情・謎解き等、盛り沢山です。 「一の部屋/職人気質」「風神雷神」(1996)★★★★☆ ――新田は弘子の着物にある黄色い輪に気づいた。輪ゴムが原因だった。浸…

『大いなる眠り』(5~8)レイモンド・チャンドラー/村上春樹訳(ハヤカワ・ミステリ文庫)

『大いなる眠り』(5~8)レイモンド・チャンドラー/村上春樹訳(ハヤカワ・ミステリ文庫) 『The Big Sleep』Raymond Chandler,1939年。 マーロウは近所の書店に聞き込みして、ガイガーの店の店員が古書に無知であることを再確認する。客が捨てた包みを…

『ミステリマガジン』2026年4月号No.773【特集 わたしの愛する名探偵】

『ミステリマガジン』2026年4月号No.773【特集 わたしの愛する名探偵】「エッセイ わたしの愛する名探偵」有栖川有栖・麻耶雄嵩・他 麻耶氏は以前にも何かのエッセイでファイロ・ヴァンスの名を挙げていましたし、よほど影響を受けているようです。「人形は…

『メグレと若い女の死〔新訳版〕』ジョルジュ・シムノン/平岡敦訳(ハヤカワ・ミステリ文庫)★★★★☆

『メグレと若い女の死〔新訳版〕』ジョルジュ・シムノン/平岡敦訳(ハヤカワ・ミステリ文庫) 『Maigret et la jeune morte』Georges Simenon,1954年。 映画化に合わせての新訳です。シリーズ長篇第45作。カバーあらすじには「代表作」と書かれていますが…

『奇跡の男』泡坂妻夫(光文社文庫)★★★☆☆

『奇跡の男』泡坂妻夫(光文社文庫)「奇跡の男」(1986)★★★★☆ ――袋くじの特賞当選者が見付かった。和来友里。三十七歳の男性だ。取材に行った白岩百合子は、その男のことを思い出した。「和来さん、あなたは二月前にも奇跡の人だったんじゃありませんか?…

『仙台ぐらし』伊坂幸太郎(集英社文庫)★★★☆☆

『仙台ぐらし』伊坂幸太郎(集英社文庫) エッセイ集+短篇「ブックモビール」収録。 「タクシーが多すぎる」(2005) ――仙台は今、人口一人当たりのタクシー台数が全国で一番多いんだよ、とタクシー運転手が言った。「規制緩和でね。客は少ないのに、台数だ…

『紙魚の手帖』vol.27 2026 February(東京創元社)

『紙魚の手帖』vol.27 2026 February(東京創元社)「名探偵の雛」榊林銘 ★★☆☆☆ ――鍋島利己と古川美々は列車に揺られ、系列大学のテニスサークルの先輩羽田きららの地元に向かっていた。きららの兄・晃弘も一緒だ。きららの恋人・牧義人がアルバイトしている…

『女性とジェンダーと短歌 書籍版「女性が作る短歌研究」』水原紫苑編(短歌研究者)★★★☆☆

『女性とジェンダーと短歌 書籍版「女性が作る短歌研究」』水原紫苑編(短歌研究者) タイトルに「書籍版」とある通り、雑誌『短歌研究』2021年8月号でおこなわれた特集の増補版です。 「巻頭提言」水原紫苑(2021) 「ムッシュ・ド・パリ 作品一〇〇首」大…

『新編 怪奇幻想の文学2 吸血鬼』紀田順一郎・荒俣宏監修/牧原勝志編(新紀元社)★★★★☆

『新編 怪奇幻想の文学2 吸血鬼』紀田順一郎・荒俣宏監修/牧原勝志編(新紀元社) 『Tales of Horror and Supernatural 2 Vampires』2022年。 旧版『真紅の法悦』収録作は二篇だけ。それも新訳と改訳されています。また、本書には案内書であることとは「別…

『教場2』長岡弘樹(小学館文庫)★★☆☆☆

『教場2』長岡弘樹(小学館文庫) 親本は2016年刊行。タイトルまんま、教場シリーズ第二作です。第一作と比べると、人間ドラマ度が薄まり、取って付け感が強まっていました。 「第一話 創傷」(2014)★★☆☆☆ ――第百期短期課程警察手帳貸与式。校長から手帳を…

『文学の極意は怪談である 文豪怪談の世界』東雅夫(筑摩書房)★★☆☆☆

『文学の極意は怪談である 文豪怪談の世界』東雅夫(筑摩書房) ちくま文庫の〈文豪怪談傑作選〉シリーズの副読本のような書籍ですが、評論とも紹介とも違う中途半端さは否めません。 アーサー・シモンズは、「文学でもっとも容易な技術は、読者に涙を流させ…

『本と鍵の季節』米澤穂信(集英社文庫)★★☆☆☆

『本と鍵の季節』米澤穂信(集英社文庫)「913」(2012)★★★☆☆ ――その日の図書当番は僕と松倉詩門の二人だった。ほかの生徒の姿はなかった。返却箱に入っていた文庫本は、表紙が折れて泥だらけだった。僕たちは汚れを拭いて、分類記号「913」と著者名の頭文…

『スフィンクスは笑う』安部ヨリミ(講談社文芸文庫)★★★☆☆

『スフィンクスは笑う』安部ヨリミ(講談社文芸文庫) 1924年。 安部公房の母による埋もれた名作です。妹がヨリミで姉がハルメとは現代の目から見てかなり個性的な名前なので、芸術家一家なのかなと思ったのですが、父親は村の会計だそうで、あまり関係あり…

『大いなる眠り』(3~4)レイモンド・チャンドラー/村上春樹訳(ハヤカワ・ミステリ文庫)

『大いなる眠り』(3~4)レイモンド・チャンドラー/村上春樹訳(ハヤカワ・ミステリ文庫) 『The Big Sleep』Raymond Chandler,1939年。 ヴィヴィアンに呼ばれたマーロウは、将軍の依頼はラスティー探しなのではと探られるが、ヴィヴィアンの高飛車な態…

『日本SFの臨界点 石黒達昌 冬至草/雪女』石黒達昌/伴名練編(ハヤカワ文庫JA)★★★★★

『日本SFの臨界点 石黒達昌 冬至草/雪女』石黒達昌/伴名練編(ハヤカワ文庫JA)「希望ホヤ」(2002)★★★★★ ――医者でも科学者でもない人間が病気を治す新たな方法を見つけることはできないのだろうか? 今から二十年も前、小児癌に苦しむ娘を見守りなが…

『逆説の日本史1 古代黎明編』井沢元彦(小学館文庫)★★☆☆☆

『逆説の日本史1 古代黎明編』井沢元彦(小学館文庫) 内容にいろいろ問題点はあろうともミステリ小説だと思えば面白い部分もあります。ジョセフィン・テイ『時の娘』や高木彬光『邪馬台国の秘密』や島田荘司『切り裂きジャック・百年の孤独』のようなもの…

『ムッソリーニとお茶を』(Tea with Mussolini,英・伊,1998)★★★☆☆

『ムッソリーニとお茶を』(Tea with Mussolini,英・伊,1998) フランコ・ゼフィレッリ監督。シェール、マギー・スミス他出演。 イギリス人のおせっかいなおばちゃんたちのおばちゃんぶりが面白すぎます。私生児は勝手に引き取るし、子育てやマナーには一…

『文學界』2010年10月号【中島京子監修「来るべき世界の作家たち」】

『文學界』2010年10月号【中島京子監修「来るべき世界の作家たち」】「特集 来るべき世界の作家たち」中島京子監修 「プチ・マリク(抜粋)」マブルーク・ラシュディ/中島さゆり訳(Le Petit Malik,Mabrouck Rachedi,2008)★★★★☆ ――《五歳》。ブリュノは…

『グランド・ブルテーシュ奇譚』オノレ・ド・バルザック/宮下志朗訳(光文社古典新訳文庫)★★★★☆

『グランド・ブルテーシュ奇譚』オノレ・ド・バルザック/宮下志朗訳(光文社古典新訳文庫)「グランド・ブルテーシュ奇譚」(La Grande Bretèche,Honoré de Balzac,1832)★★★★★ ――わたしはグランド・ブルテーシュ館の荒れ果てた庭を散歩するのが好きだっ…

『大いなる眠り』(1~2)レイモンド・チャンドラー/村上春樹訳(ハヤカワ・ミステリ文庫)

『大いなる眠り』(1~2)レイモンド・チャンドラー/村上春樹訳(ハヤカワ・ミステリ文庫) 『The Big Sleep』Raymond Chandler,1939年。 2014年刊行。カバーデザイン:坂川栄治+坂川朱音(坂川事務所)。 創元推理文庫版は1959年初版。カバー撮影:板橋…

『ファール・プレイ』(Foul Play,米,1979)★★★☆☆

『ファール・プレイ』(Foul Play,米,1979) コリン・ヒギンズ監督・脚本。ゴールディ・ホーン他出演。 “小人に用心しろ”上映中の映画館でグロリア(ゴールディ・ホーン)にそうささやくとヒッチハイクで知り合ったその男は息絶えた。以来、グロリアは怪し…

『インスマスの影 クトゥルー神話傑作選』H・P・ラヴクラフト/南條竹則訳(新潮文庫)★★☆☆☆

『インスマスの影 クトゥルー神話傑作選』H・P・ラヴクラフト/南條竹則訳(新潮文庫) 『The Shadow over Innsmouth and Other Stories』Howard Phillips Lovecraft。 新訳を機に苦手なラヴクラフトに何度目かの挑戦をしました。新訳だけあって読みやすい…

『あぶない刑事リターンズ』(東映・日本テレビ,1996)★★★★☆

『あぶない刑事リターンズ』(東映・日本テレビ,1996) 監督:村川透、脚本:柏原寛司・大川俊道。爆弾魔に倉田てつを、犯罪組織のボスに伊原剛志、港署の事務に島崎和歌子。 リターンズの名の通り、『もっともあぶない刑事』で完結したシリーズ久々の復活…

『リカーシブル』米澤穂信(新潮文庫)★★★★☆

『リカーシブル』米澤穂信(新潮文庫) 親本2013年刊行。 再読のはずなのですが内容をすっかり忘れていました。 中学一年の越野ハルカは家庭の事情で田舎に引っ越して来ました。新しい環境への不安、血の繫がっていない弟への苛立ち、父親の再婚相手への引け…


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