夢野久作特集では、「木魂」の原型「線路」のほか、父・茂丸と祖父・龍丸による怪談、三作家によるトリビュート短篇、怪談紀行、エッセイ、能楽鼎談、作品案内。トリビュート短篇では、『ぼぎわんが来る』『ずうのめ人形』の澤村伊智による「居酒屋脳髄談義…
『幽』vol.25【人形/ヒトカタ】 第25号の特集は「人形/ヒトカタ」。グラビアは皆川博子とのコラボになっています。それにしてもこのグラビアと表紙の人形、妙に腹の立つ顔をしているのですが……。 「人形は、なぜ怖いのか」京極夏彦 インタビューでしょうか…
「特集 リアルか、フェイクか。」 真実を描いているだけでは怪談にはならないという実作者向けの特集か、実話だからって読まずぎらいしている小説好き向けの特集なのか、と思い込んで読んでいたのでピンときませんでしたが、『残穢』映画版の中村義洋監督が…
『幽霊画大全』 圓朝コレクションのグラビアや、高橋克彦らによるエッセイ「私の愛する幽霊画」、国枝史郎と鏑木清方のエッセイ復刻、など。「花嫁衣装」朱野帰子 新鋭による新連載。結婚して旦那やその親戚や上司に差別的な対応を受けながら、当人たちはそ…
創刊号に続いての小泉八雲特集。 とはいっても「Retold」とあるように、八雲作品そのものではなく、佐野史郎による脚本、円城塔による新訳連載、能楽者・安田登と浪曲師・玉川奈々福らによる鼎談、などがメインです。円城塔×小泉凡による対談あり。 「幽的民…
縦軸を〈現実〉〈非現実〉に、横軸を〈マジこわい〉〈コワかわいい〉にして、「こわ〜い漫画」を分類したガイド。 「日常のすぐ隣にある異世界を、成長過程にある少女の目線で描いた」小森羊仔『青い鱗と砂の街』全2巻(コワかわいい4.5、現実=非現実)、…
「怪談ベストブック2004-2014」とは言いつつ、それほど大々的に特集を組んでいるわけではないので、いつも以上に読むページの少ない号でした。「河童捕獲大作戦に用いられたる河童捕獲器一覧」天野行雄(日本物怪観光)「怪異と恐怖、いかに書くべきか」恒川…
今回はアメリカと怪談というかなり意外な切り口の特集です。口絵写真は東氏本人の撮影。薄紫の水面に映った木の杭が黒い一本の棒のようで素晴らしく不気味です。それから見るたびに思うのですが、ラヴクラフトって作者の顔がすでに雰囲気あるんですよね。「…
加門一行による心霊ツアーのようなサブカルノリは相変わらず。「招魂し鎮魂するという日本人古来の心性」安田登ロング・インタビュー おくのほそ道の記述に異界を見出す視線。「能と文芸と」桜庭一樹×津村禮次郎 「上手なシテは、マスクに落ちる影の角度など…
『ムーミン』を読み解く7つのキーワード。ほかに再訳「エンメリーナ」。バートルビーでもない。ホリー・ゴライトリーでもない。エンメリーナという謎の少女に依存する中年男。 「つくよみ双紙」佐藤弓生+町田尚子 「死だと思うアスタリスクがどの電話にも…
【沖縄怪談大全】 沖縄と言えば水木しげるによるあの印象的なキジムナーとガジュマルの木だけしか知らないのですが、今月号の表紙を見るだけでも別世界です。こんな場所が現実にあるということが何よりも素晴らしい。「逆立ち幽霊(抄)」伊波南哲 沖縄でい…
さて蓋を開けてみると『幽』+『yom yom』といった感じの内容でした。 「つくよみ双紙」は『幽』でも連載されていた佐藤弓生による短歌+小説に、町田尚子の絵が加わったもの。波津彬子による川端漫画化「心中」と、近藤ようこによる漫画『たそがれの市』第…
「実話怪談」と「怪談実話」という言葉について、『幽』誌上では初めて(?)明確な説明がありました。 エッセイ田辺青蛙「京田辺の怪談」、「上方怪談街あるき」も田辺青蛙。「短歌百物語」は今号86首目で最終回。「江戸怪談実話の迷い道(7)」高原英理、…
特集「震えて眠れ、子どもたち」とは何のことかと思ったら、「怪談えほん」刊行に合わせての児童怪談特集でした。加門七海×軽部武宏、京極夏彦×黒史郎対談のほか、宇野亜喜良、皆川博子らのエッセイ、石堂藍による怪談児童文学史、東雅夫による小川未明紀行…
『ミステリマガジン』の特集は「新生ポケミス宣言」。なにが新生ってデザインが変わったという話なので、新デザイナーの水戸部氏インタビューがメイン。北欧ものが増えたりというのもあるけれど。 あとはクレイグ・ライスのマローンもの「平穏な人生」と、ダ…
「路地裏、坂道、百物語」MOTOKO 右側に路地裏、左側に群れの写真。ページをめくると、鯉の群れ、亀の群れ、と続く。この流れで見ると、ツツジ(?)すらも一個の花の「群れ」に感じられて、ちょっと不気味で恐ろしい。 「第一特集 女たちの百物語」伊藤三巳…
「稲川淳二スペシャル」 どうしてもテレビの怪談番組ってキワモノのイメージがあるので、ちゃんと聞いたことはなかった稲川怪談。「厚さ1mmの幽霊」は稲川淳二だったか桜金造だったかも定かではない。そんなわたしでも新作怪談「隣の奥さん」を読むと、台詞…
文豪怪談傑作選に続いて、柳田國男『遠野物語』を怪談として再(?)評価する試みの第二弾。京極夏彦による『遠野』再話のほか、あとは佐々木喜善にスポットが当てられています。「冥談 遠野物語より」京極夏彦 やけに理屈っぽい。京極堂シリーズの蘊蓄なら…
芥川特集。さすがに芥川は今さらなのか、「芥川の怪談文学」ではなく、「オカルト好きの芥川」「そんなアンソロジスト芥川」「そんな芥川の蒐集した実話怪談を現代作家が再話する」という絡め手からの特集でした。よくいえば目のつけどころがいい。短歌「小…
今回は残念なことに、実話怪談および作家志望者向けの特集だった。あろうことか高原英理の連載までもが実話怪談の比重がいつもより大きい。実話怪談が苦手であり作家になる気もない人間にはしょんぼりな号だった。 夢枕獏の対談と南條竹則の対談が救いです。…
「京都に潜む〓か」綾辻行人×森見登美彦 ふつうにふつーの会話なので二人のファンなら楽しく読めるのだけれど、たまたま二人が京大出身だというだけで、特集としては弱いどころではない。「京都花街怪談」森山東 ――怖い話どすか? はあ、それならここら辺に…
第一特集は圓朝。圓朝そのものというよりも、圓朝の魅力を外堀から埋めていくような特集でした。累伝承はともかくとして、他は映画『怪談』関係者の対談と、落語家&講談師インタビュー。もちろん尾上菊之助×京極夏彦、平山夢明×『怪談』監督という豪華さは…
怪談専門誌『幽』1〜6号掲載の漫画がすべて収録された豪華な一冊。カバーが指紋べたべたで微妙に怖い。 『幽』本体は「ホラー」と「怪談」の違いにもこだわった、文字通りの「怪談専門誌」なのだけれど、コミックの方はそれほどでもない。実話怪談風のものか…
ようやく読みました。もうVol.7が出てしまったよ(^^;。おお、第一特集が「江戸の怪」ということで、小口の印刷が和綴じ本のようになってます。これもやっぱり祖父江慎なんだろうか。偉い。「耳袋と江戸の怪」宮部みゆき×京極夏彦★★★★☆ 「たとえば『耳袋…
創刊以来はじめて、第一特集が作家ではなくテーマによる特集です。「猫の怪」。猫と怪談は相性がいい。と思って期待したんですけどね。。。結論を申せばかなり期待はずれでした。猫怪談なんて手あかがつくほど紹介されているゆえに搦め手から、というのはわ…
『幽』を毎号買ってはいるのだけれど、実のところ実話怪談とか創作怪談とかいうものはあまり好きじゃない。さすがにこの『幽』は、心霊とかオカルト科学みたいなとんでも系ではないのだけれど、それでもやっぱり実話怪談特有の文体というものがあって、それ…