『ミステリマガジン』2025年1月号No.768【ミステリが読みたい! 2025年版】 季刊化第一号。 大矢博子氏がアンケートで、「この手のランキングが数人の突出した作家で毎年似た顔ぶれになるのはつまらないなという理由から、ホロヴィッツとクレイヴンは「…
『ミステリマガジン』2024年11月号No.767【世界のジョン・ディクスン・カー】 不可能犯罪特集。「世界の」の名に偽りなく、本家カーをはじめ、スウェーデン、フランス、中国の作品が掲載されていました。しかし編集者(I)による解説がむりやり褒めている感…
『ミステリマガジン』2024年9月号No.766【現代海外ミステリ短篇を読もう!】「現代海外ミステリ短篇を読もう!」 現代海外ミステリ短篇特集と銘打たれてはいますが、シリーズ作品と受賞作を並べただけで、現代海外ミステリについての概観も特集全体の解説も…
『ミステリマガジン』2024年7月号No.765【令和の鉄道ミステリ】「スティームドラゴンの奇走」霞流一「幸運の境界」山本巧次 ★★★☆☆ ――親の遺した不動産収入で不自由なく暮らしている芸術気取りが自宅で殺された。喜瀬川健一、三十九歳、現場にあったブロンズ…
『ミステリマガジン』2024年5月号No.764【シャーロック・ホームズを演じる】 毎度毎度のホームズ特集ですが、今回は変化球で来ました。「ノサカラボ 野坂実氏メール・インタヴュー」 朗読劇というニッチなホームズ。 「サー・ヘンリー・バスカヴィル殺人事件…
『ミステリマガジン』2024年3月号No.763【繚乱たる華文ミステリ】「風船男」陳浩基《チャン・ホーケイ》/よしだかおり訳(氣球人,陳浩基,2011)★★★★☆ ――五年前、金のクソじじいがオレの望み通りに、風船のように顔をパンパンに膨らませて死んだ。皮膚に直…
『ミステリマガジン』2024年1月号No.762【ミステリが読みたい!2024年版】 海外編のベストテンには興味のあるものがありませんでした。国内編の1位~3位『可燃物』米澤穂信、『君のクイズ』小川哲、『鵼の碑』京極夏彦はまだ読んでませんがいずれ読むつも…
『ミステリマガジン』2023年11月号No.761【ポケミス創刊70周年記念特大号】「特別鼎談 ポケミス創刊70周年によせて」平岡敦×杉江松恋×阿津川辰海 そういえば最近ポケミスあんまり読んでないかも。阿津川氏が装丁も内容も褒めていた『アックスマンのジャズ』…
『ミステリマガジン』2023年9月号No.760【追悼 原尞】『それからの昨日』冒頭三章 三章までしか書かれていない遺稿です。とはいえプロットはある程度出来ているようなので、いつか誰かが書き継いでくれるでしょう。 「追悼エッセイ」法月綸太郎・木村二郎他…
『ミステリマガジン』2023年7月号No.759【アガサ・クリスティーの魔力】「見知らぬ人」アガサ・クリスティー/羽田詩津子訳(The Stranger,Agatha Christie,1932) ――婚約者のディックが何年かぶりに帰国するというのに、エニドの心は晴れなかった。不幸せ…
『ミステリマガジン』2023年5月号No.758【モリアーティ教授 ホームズ永遠の宿敵《ライバル》】「大佐でも伯爵でもない――「教授」だからこそ」日暮雅通「『憂国のモリアーティ』著者・三好輝氏メールインタビュー」「モリアーティ教授の不愉快な一日」黒谷知…
『ミステリマガジン』2023年3月号No.757【ジョルジュ・シムノンの世界】 なぜか『メグレと若い女の死』の新訳が刊行予定だったのは、なるほど映画化されたからでした。次いで『サン・フォリアン寺院の首吊人』、『メグレと超高級ホテルの地階』も新訳刊行予…
『ミステリマガジン』2023年1月号No.756【ミステリが読みたい!2023年版】 ものの見事に知らない作品ばかりで驚きました。ミステリマガジンは書評欄も含めて毎号読んでいるはずなのに。自分のアンテナの感度の低さに呆然とします。『同志少女』は本誌で冒頭…
『ミステリマガジン』2022年11月号No.755【CWA賞最前線】「2022年度CWA賞短篇賞ノミネート作品紹介」「2022年度CWA賞短篇賞受賞作レビュー」「2022年度CWA賞受賞作レビュー」「死者の指」M・W・クレイヴン/東野さやか訳(Dead Man's Fingers,M. W. Crave…
『ミステリマガジン』2022年9月号No.754【マイクル・Z・リューイン生誕80周年記念特集】「リューインの思い出」阿津川辰海「サムスン試論」米澤穂信「ラッキーな気分の日」リザ・コディ/矢島真理訳(When I'm Feeling Lucky,Liza Cody,2021)★☆☆☆☆ ――ラ…
『ミステリマガジン』2022年7月号No.753【高橋葉介と夢幻ミステリ】「邪悪の家」エリック・パーヴェス/小林晋訳(The House of the Black Evil,Eric Purves,1929)★★☆☆☆ ――郵便配達員の奇妙な行動が、私の注意をあの陰鬱な家に引きつけた。配達員は郵袋を…
『ミステリマガジン』2022年5月号No.752【カムバック、古畑任三郎】「古畑任三郎とミステリ」三谷幸喜×石原隆 脚本家と企画プロデューサーによる対談です。「毎回新しいセットを建てるのは無理だろう」という、予算面からの困難さというのは視聴者にはなかな…
『ミステリマガジン』2022年3月号No.751【観て読んで楽しむクリスティー】「三人のペテン師」アガサ・クリスティー/加賀山卓朗訳(Fiddlers Three,Agatha Christie,1971/1972, 2017)★★★☆☆ ――〈フレッチャー開発〉のサム・フレッチャーは今すぐにでも資金…
国内篇1位は米澤穂信『黒牢城』。著者受賞コメント掲載。海外篇6位『第八の探偵』、9位『台北プライベートアイ』は以前から気になっていた作品。国内篇3位『機龍警察 白骨街道』、5位『兇人邸の殺人』、9位『invert 城塚翡翠倒叙集』はシリーズもの最…
『ミステリマガジン』2021年11月号No.749【機龍警察 白骨街道/ハヤカワ文庫JA総解説PART2】 予告されていた古畑任三郎特集は延期され、代わりに『機龍警察 白骨街道』特集に。予定変更が急だったためなのかどうか、本人のほかは作家や評論家ではなく書店…
『ミステリマガジン』2021年9月号No.748【躍進する華文ミステリ/ハヤカワ文庫JA総解説ミステリ篇PART1】「推理クイズじゃない「小説」としてのミステリを書きたい――紫金陳《ズー・ジンチェン》氏Q&A」行舟文化・企画構成/阿井幸作訳 『悪童たち』がハ…
『ミステリマガジン』2021年7月号No.747【ジョン・ル・カレ追悼】「今宵はどんな儀式を見せてもらえるのかな?」ジョン・ル・カレ/加賀山卓朗訳(What Ritual is Being Observed Tonight?,John le Carré,1968) ――マリー=ルイーズ、彼女の両親が経営する…
『ミステリマガジン』2021年5月号No.746【特殊設定ミステリの楽しみ】「お迎え」辻真先「ウィンチェスター・マーダー・ミステリー・ハウスの殺人」斜線堂有紀★★★☆☆ ――ウィンチェスター家の銃で死んだ人たちの霊の為に家を建てなさい。建築を止めてはならない…
「中・後期クイーン座談会」有栖川有栖×綾辻行人×法月綸太郎×麻耶雄嵩(司会・千街晶之) 参加者が五十音順じゃないのが気になります。クイーンのことなら綾辻氏よりも有栖川氏ということなのか、有栖川氏の持ち込み企画なのか――。ライツヴィルの名は数年前…
ランキングと総括とアンケート。国内一位が辻真先作品というのは、失礼ながら意外でした。ベテランだけどランキングに入るタイプではないと思っていたので。 日下三蔵氏が霜月蒼氏に勧められて三位に入れた『魔女の組曲』は刊行時にはノーチェックでした。千…
「大金持ちの婦人の事件」アガサ・クリスティー/乾信一郎訳/若竹七海選・解説(The Case of the Rich Woman,Agatha Christie,1932)★★☆☆☆ ――ライマー夫人がパーカー・パイン氏の部屋へ案内された。「わたしにお金の使い方を教えてちょうだい。贅沢にも慣…
文庫創刊50周年とは言いつつ創刊第一弾はSF文庫なので、ミステリ文庫はまだ44周年、NV文庫でも48周年でした。「読者を育てた文庫の軌跡をたどる」三橋曉「ハヤカワ文庫創刊50周年エッセイ」有栖川有栖・池上冬樹・恩田陸・新保博久・月村了衛・山本やよ…
コロナの影響で一か月遅れの7月号です。 マーク・グルーニー『レッド・メタル作戦始動』刊行に伴う冒険小説特集。掲載されているのは思い出話ばかりで「新時代」と言えるのは『レッド・メタル作戦始動』関連の一記事のみ。エッセイには霜月蒼・月村了衛・福…
新型コロナで007映画の公開が延期されたため当初の予定だった007特集から変更されたようです。「列車探偵ハル:王室列車の宝石どろぼうを追え!」M・G・レナード&サム・セッジマン/武富博子訳(Adventures on Trains : THE HIGHLAND FALCON THIEF…
BBC『シャーロック』他のリブート・ホームズものにあやかって調子の乗って月9でも『シャーロック』ドラマを放映していた関係からか、またもやホームズ特集ですが、さすがにネタ切れ感は否めません。 創作は黒谷知也の書店員ホームズものの漫画、北原尚彦…