『終わらない悪夢』ハーバート・ヴァン・サール編/金井美子訳(論創社ダーク・ファンタジー・コレクション8)★★★☆☆

『The Sixth Pan Book of Horror Stories』Ed.Herbert Van Thal,1965年。 ホラー・アンソロジー『パン・ブック』第六弾がまるごと翻訳されました。マイナー作家勢揃いなので、当たりがあると嬉しい(凡作も多いけど)。「終わらない悪夢」ロマン・ガリ(Th…

「シャンブロウ」C・L・ムーア/仁賀克雄訳(『シャンブロウ ダーク・ファンタジー・コレクション9』より)

何となく欠かさず買ってはいるのだけれど、第九巻目にしてようやく、このシリーズはわたし好みの作品が少ないのではないかと気づいてきた。 本篇は早い話が幻想スペオペです。スペオペ読むなら活劇を求め、幻想を求めるなら幻想小説を読むしなぁ……としか言い…

『残酷な童話』チャールズ・ボウモント/仁賀克雄訳(論創社ダーク・ファンタジー・コレクション)★★★☆☆

『The Hunger and Other Stories』Charles Beaumont,1957年。 第三短篇集『夜の旅、その他の旅』は大好きなのだが、雑誌やアンソロジーで読んだ第一短編集(すなわち本書)収録作がことごとく外れだったので、面白くあってくれという祈りに似た気持で読み始…

『最期の言葉』ヘンリー・スレッサー/森沢くみ子訳(論創社ダーク・ファンタジー・コレクション6)★★★★☆

スレッサーって意外と作品集が少ないんですね。ハヤカワの三つ+『ルビイ』+『伯爵夫人の宝石』だけなんだ。スレッサーらしく軽めの作品が多いので、★5つが目白押し、というわけではないのだけれど、粒ぞろいのいい作品集でした。収録作の書誌データくらい…

『漆黒の霊魂』オーガスト・ダーレス編/三浦玲子訳(論創社ダーク・ファンタジー・コレクション5)★★★☆☆

ダーレス編でしかも書き下ろしアンソロジーなのでB級ピース満載である。とはいえところどころに光るものがあるので油断できない。 ダーレス編書を丸まんま翻訳――ではない。近訳があるからと二篇をさしかえてます。『Dark Mind, Dark Heart』Edited by Augus…

『グランダンの怪奇事件簿』シーバリー・クイン/熊井ひろ美訳(論叢社ダーク・ファンタジー・コレクション4)★★☆☆☆

『The Phantom-Fighter』Seabury Quinn,1966年。 〈おバカ〉とか〈キッチュ〉とかが好きな人なら楽しめるかも? もうちょっとミステリとして引き締まってたり、ホラーとして怖かったり、冒険アクションだったり、奇想が横溢していたり、キャラが立っていた…

『タイムマシンの殺人 ダーク・ファンタジー・コレクション3』アントニー・バウチャー/白須清美訳(論創社)★★★☆☆

「先駆者」(The First)★★☆☆☆ ――初めて牡蠣を食べたのは勇敢な人間だった、とスウィフトは書いた。ほかにもこうした功労者は数え切れないほどいる。これは、スコの物語である。 「シチュー」て書いちゃった時点で物語が成立しないような気がするのだが。な…

『不思議の森のアリス ダーク・ファンタジー・コレクション2』リチャード・マシスン/仁賀克雄訳(論創社)★★★☆☆

マシスンは好きなはずなのだが、実際に★をつけてみるとなぜか点数が低くなってしまった。「生命体」とか「狙われた獲物」は訳がよければ★5つなんだけどなぁ。「男と女から生まれて」(Born of Man and Woman,1950)★★★★★ ――今日、お母さんはぼくをへどがで…

『人間狩り ダーク・ファンタジー・コレクション1』フィリップ・K・ディック/仁賀克雄訳(論創社)★★★★★

100%のエンターテインメント作家だったんだねえ。ゴリゴリに面白い。アンハッピーな話ばっかりなので、結末がわかってしまうのが玉に瑕だが。『Second Variety』Philip K. Dick。「パパふたり」(The Father-Thing)★★★★★ ――パパはガレージにいて、自分とし…


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