『ボーンヤードは語らない』市川憂人(東京創元社)★★★☆☆

『ボーンヤードは語らない』市川憂人(東京創元社) 『The Boneyard Never Speaks』2021年。 マリア&漣シリーズ第四作にして初の短篇集です。 「ボーンヤードは語らない」(2020)★★★★☆ ――A州ツーソン市郊外の空軍基地には『飛行機の墓場』という異名があ…

『犬はどこだ』米澤穂信(創元推理文庫)★★★★☆

『犬はどこだ』米澤穂信(創元推理文庫) 『The Citadel of the Weak』2005年。 生まれ故郷の八保市で犬捜し専門の調査事務所を開いたというのに、紺屋長一郎に舞い込む依頼は犬とは無関係のものばかりでした。隣接する小伏町から〈紺屋S&R〉を訪れた佐久…

『黒いハンカチ』小沼丹(創元推理文庫)★★★☆☆

『黒いハンカチ』小沼丹(創元推理文庫) 『Black Handkerchief』1958年。 小沼丹なのでミステリとしては期待していないし、実際その通りだなと思っていたら、意外とツボを押さえていたりするから油断なりませんが、どの話もあっさり終わってしまうので物足…

『無伴奏』太田忠司(創元推理文庫)★★★☆☆

『無伴奏』太田忠司(創元推理文庫) 『Unaccompanied』2011年。 阿南省吾は姉・仁恵から父・太市危篤との報せを受けて実家に戻ったが、実際には認知症の父親の介護をさせようという兄・拓馬が企んだものだった。ヘルパーに頼むのは体裁が悪いという兄に対し…

『天国の破片(かけら)』太田忠司(創元推理文庫)★★☆☆☆

『天国の破片《かけら》』太田忠司(創元推理文庫) 『A Little Piece of Heaven』1998年。 コンビニでアルバイトをしていた阿南は、強盗の少年を説得して五十万円を貸した。犯罪を未然に防いだはずだった――。だが後日、再びコンビニ強盗が発生し、少年は店…

『ポンド氏の逆説』G・K・チェスタトン/南條竹則訳(創元推理文庫)★★★☆☆

『ポンド氏の逆説』G・K・チェスタトン/南條竹則訳(創元推理文庫) 『The Paradoxes of Mr. Pond』G. K. Chesterton,1936年。 南條竹則氏による新訳版。『コリアーズ・ウィークリー』に掲載された「名前を出せぬ男」を除いて、すべて『ストーリーテラー…

『七度狐』大倉崇裕(創元推理文庫)★★★☆☆

『七度狐』大倉崇裕(創元推理文庫) 『Fox That Played Tricks 7 Times』2003年。 1955年、杵槌村の公民館での口演を終えた春華亭古秋の楽屋を、佐藤知恵が訪れた。/同じ日の夜、祖父を探しに家を抜け出し公民館に向かった少女・亮子は、狐火を見て気を失…

『毒薬ミステリ傑作選』レイモンド・T・ボンド編/宇野利泰他訳(創元推理文庫)★☆☆☆☆

『毒薬ミステリ傑作選』レイモンド・T・ボンド編/宇野利泰他訳(創元推理文庫) 『Handbook For Poisoners』ed: Raymond T. Bond,1951年。 同じ編者の『暗号ミステリ傑作選』と比べても、いくら何でも他の版で読める作品が多すぎます。解説でも、「マニア…

『不思議の国の悪意』ルーファス・キング/押田由起訳(創元推理文庫)★★☆☆☆

『不思議の国の悪意』ルーファス・キング/押田由起訳(創元推理文庫) 『Malice in Wonderland』Rufus King,1958年。 『クイーンの定員』に選ばれた短篇集。再読。 「不思議の国の悪意」(Malice in Wonderland,1957)★★☆☆☆ ――アリス・ウィッカーシールド…

『薫大将と匂の宮』岡田鯱彦(創元推理文庫)★☆☆☆☆

『薫大将と匂の宮』岡田鯱彦(創元推理文庫) 『General Kaoru and Prince Niou』1950年。 ずっと昔に国書刊行会版を読んでがっかりした記憶があるのですが、解説を森谷明子氏が書いているの目当てで再び読んでみることにしました。『薫大将と匂の宮』(1950…

『思考機械の事件簿Ⅱ』ジャック・フットレル/池央耿訳(創元推理文庫)

『思考機械の事件簿Ⅱ』ジャック・フットレル/池央耿訳(創元推理文庫) 『The Case Book of The Thinking Machine vol.2』Jacques Futrelle。 〈シャーロック・ホームズのライヴァルたち〉の一冊。ホームズのライヴァルたちのなかでも比較的有名な部類に入…

『髑髏城』ディクスン・カー/宇野利泰訳(創元推理文庫)★★☆☆☆

『髑髏城』ディクスン・カー/宇野利泰訳(創元推理文庫) 『Castle Skull』John Dickson Carr,1931年。 アンリ・バンコラン・シリーズ第三作。旧訳版。 予審判事バンコランと作家のジェフ・マールは、ベルギーの大富豪ジェローム・ドオネイの依頼で、ライ…

『アルファベット荘事件』北山猛邦(創元推理文庫)★☆☆☆☆

『アルファベット荘事件』北山猛邦(創元推理文庫) 『The Case of Alphabet』2002年。 読む人のミステリへの度量の広さが試されそうです。個人的には、ミステリとして許容できる作り物の範疇を越えていました。 舞台女優の橘未衣子は、看板女優の美久月美由…

『グラスバードは還らない』市川憂人(創元推理文庫)★★☆☆☆

『グラスバードは還らない』市川憂人(創元推理文庫) 『The Glassbird Will Never Return』2018年。 マリア&漣シリーズ第三作。 十年前、屈折率可変性ガラスの開発中に爆発事故を起こしたSG社の社長であるヒュー・サンドフォードは、透過率可変性ガラス…

『新・日本の七不思議』鯨統一郎(創元推理文庫)★★☆☆☆

『新・日本の七不思議』鯨統一郎(創元推理文庫) 『New Seven Wonders of Japan』鯨統一郎,2011年。 『邪馬台国はどこですか?』『新・世界の七不思議』に続くシリーズ第三作。日本の歴史の謎を扱ったものとしては『邪馬台国――』に続く二作目になります。 …

『ハーリー・クィンの事件簿』アガサ・クリスティ/山田順子訳(創元推理文庫)★★★★★

『ハーリー・クィンの事件簿』アガサ・クリスティ/山田順子訳(創元推理文庫) 『The Mysterious Mr Quin』Agatha Christie,1930年。 2020年の新訳版。ハヤカワ版にはない序文(はじめに)が収録されています。クィン氏は「人間ばなれした存在ですが、生身…

『孤島パズル』有栖川有栖(創元推理文庫)★★★☆☆

『孤島パズル』有栖川有栖(創元推理文庫) 『The Island Puzzle』1989年。 学生アリスシリーズの2作目です。今回の推理研メンバーは江神とアリスとマリアだけ。織田と望月はお留守番です。 三人が嘉敷島に渡った理由は、マリアの祖父が遺した宝物(ダイヤ…

『短編ミステリの二百年3』マクロイ、エリン他/小森収編(創元推理文庫)★★★★☆

『短編ミステリの二百年3』マクロイ、エリン他/小森収編(創元推理文庫) 第3巻はEQMMコンテスト受賞作&受賞作家が収録されています。さすがに力作・傑作揃いでした。 「ナボテの葡萄園」メルヴィル・デイヴィスン・ポースト/門野集訳(Naboth's Vi…

『掌の中の小鳥』加納朋子(創元推理文庫)★★★★☆

『掌の中の小鳥』加納朋子(創元推理文庫) 『Egg Stand』加納朋子,1995年。 二十代のクールで利発的な男と勝気でエキセントリックな女が、バー「EGG STAND」を舞台に、謎解きを通して絆を深めてゆく連作短篇集。えぐるところとハートウォーミングなところ…

『奇商クラブ』G・K・チェスタトン/南條竹則訳(創元推理文庫)★☆☆☆☆

『奇商クラブ』G・K・チェスタトン/南條竹則訳(創元推理文庫) 『The Club of Queer Trades』G. K. Chesterton,1905年。 新訳版。チェスタトンの著作としてはかなり初期の作品です。強いて言えばユーモア小説ということになるのでしょうが、ドタバタが…

『プレイボーイ・スパイ2』ジェイムズ・ハドリー・チェイス/井上一夫訳(創元推理文庫)★★★☆☆

『プレイボーイ・スパイ2』ジェイムズ・ハドリー・チェイス/井上一夫訳(創元推理文庫) 『You Have Yourself A Deal』James Hadley Chase,1966年。 プレイボーイ・スパイのマーク・ガーランドが活躍するシリーズの第二弾。ジェイムズ・ボンド・シリーズ…

『心のなかの冷たい何か』若竹七海(創元推理文庫)★★☆☆☆

『心のなかの冷たい何か』若竹七海(創元推理文庫) 『Something Cold in My Heart』1991年。 若竹七海の第二作。『ぼくのミステリな日常』と同じく作者と同名の若竹七海が主人公のシリーズです。 女同士の友情から事件の真相を明らかにしようと奮闘する姿は…

『家蠅とカナリア』ヘレン・マクロイ/深町眞理子訳(創元推理文庫)★☆☆☆☆

『家蠅とカナリア』ヘレン・マクロイ/深町眞理子訳(創元推理文庫)★☆☆☆☆ 『Cue for Murder』Helen McCloy,1942年。 解説にも書かれているようにサスペンス派という印象の強かったマクロイですが、本書は至極まっとうな謎解きものでした。 刃物研磨店に夜…

『幽霊紳士/異常物語 柴田錬三郎ミステリ集』柴田錬三郎(創元推理文庫)★★★★☆

『幽霊紳士/異常物語 柴田錬三郎ミステリ集』柴田錬三郎(創元推理文庫) 『A Ghost Gentleman/Bizarre Tales』1960年/1961年。 幽霊紳士を狂言回しにしたミステリ集『幽霊紳士』と、奇譚集『異常物語』の合本です。『花嫁首 眠狂四郎ミステリ傑作選』は…

『短編ミステリの二百年2』チャンドラー、アリンガム他/小森収編/猪俣美江子他訳(創元推理文庫)★★★☆☆

『短編ミステリの二百年2』チャンドラー、アリンガム他/小森収編/猪俣美江子他訳(創元推理文庫)★★★☆☆「挑戦」バッド・シュールバーグ/門野集訳(The Dare,Budd Schulberg,1949)★★★☆☆ ――ポールは海を見つめていた。モーターボートと水上スキーの娘が…

『皇帝と拳銃と』倉知淳(創元推理文庫)★☆☆☆☆

『皇帝と拳銃と』倉知淳(創元推理文庫) 『Emperor and Gun』2017年。「運命の銀輪」(2009)★☆☆☆☆ ――伊庭は凶器の金槌を振り降ろした。友人であり仕事のパートナーでもあった和喜多。四季杜忍がこんな形で解消とはな……。自転車の隠し場所を目指すと、ホー…

『放課後探偵団2 書き下ろし学園ミステリ・アンソロジー』青崎有吾・斜線堂有紀ほか(創元推理文庫)★★☆☆☆

『放課後探偵団2 書き下ろし学園ミステリ・アンソロジー』青崎有吾・斜線堂有紀ほか(創元推理文庫) 『Highschool Detectives II』2020年。 新鋭による学園ミステリ『放課後探偵団』、10年ぶりの第2弾です。ほとんどが未読の作家でした。第一集とは違い、…

『雪旅籠』戸田義長(創元推理文庫)★★★☆☆

『雪旅籠』戸田義長(創元推理文庫) 『The Casebook of Detective Toda Sozaemon vol.2』2020年。 鮎川賞候補作『恋牡丹』の姉妹編。前作のその後の物語ではなく、前作各話の間を埋める八篇の作品集ということで、続編ではなく姉妹編ということのようです。…

『モリアーティ秘録(上・下)』キム・ニューマン/北原尚彦訳(創元推理文庫)★★★☆☆

『モリアーティ秘録(上・下)』キム・ニューマン/北原尚彦訳(創元推理文庫) 『Professor Moriarty: the Hound of the D'Urbervilles』Kim Newman,2011年。 タイトルからわかる通り、モリアーティ側を主役に据えたホームズ・パスティーシュです。前半は…

『探偵は友人ではない』川澄浩平(東京創元社)★★☆☆☆

『探偵は友人ではない』川澄浩平(東京創元社) 不登校の少年と幼なじみの中学生を中心とした日常の謎と瑞々しい感性が印象深かったデビュー作『探偵は教室にいない』の続編です。ですが、どうしちゃったの……というくらいに出来が悪くなっていました。正確に…


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