『伏 贋作・里見八犬伝』桜庭一樹(文春文庫)★★★★☆

そのころ江戸では「伏《ふせ》」と呼ばれる人獣が人を襲うことが増えたため、伏狩りがおこなわれていた。猟師の少女・浜路《はまじ》は、兄・道節《どうせつ》に呼ばれ江戸に出て来て、伏狩りに参加することに。 ――というのが、現在パートの物語です。 そし…

『荒野 12歳 ぼくの小さな黒猫ちゃん』桜庭一樹(文春文庫)★★★★☆

初出を見ると、もともとはファミ通文庫から出ていたものだそうです。とはいっても内容は一般向け。 猫は出てこない。「ぼくの小さな黒猫ちゃん」とは、小説家の父親が荒野について話すときの表現です。 黒髪ロングに眼鏡で巨乳の学級委員というどこぞのオタ…

『GOSICK5 ベルゼブブの頭蓋』桜庭一樹(富士見ミステリー文庫)★★★☆☆

またもや謎解きミステリ度は減ってしまいました。ミステリっていうより、完全に手品そのものだものなぁ。その分、戦争とか一族とか、大きなものが動き出してます。あの人とかあの人とか登場させちゃうんだ、という人たちまで登場しちゃいます。シリーズもの…

『ミステリーズ!』Vol.42

桜庭一樹×川出正樹の翻訳ミステリ応援対談と銘打たれてはいますが、編集者も含めたサスペンス好きの座談会です。ドビンズ『奇妙な人生』、レンデル『ロウフィールド館の惨劇』などの名前があがってました。 トンデモ歴史ミステリはもはや鯨統一郎の専売特許…

『GOSICK IV―ゴシック・愚者を代弁せよ―』桜庭一樹(富士見ミステリー文庫)★★★★☆

推理ものとしては第一作のような正統派に戻って何より。いくつかの手がかりが結びつけられ怪談と奇術と錬金術がうまくシンクロする真相も、伏線の回収の手際が上手いので引き立っています。特に怪談はさり気ないだけに、仮面の真相と結びつけられたときには…

『黒い聖母と悪魔の謎』『桜庭一樹読書日記』『トマス・アクィナス『神学大全』』『他人を見下す若者たち』『モンキービジネス』vol.07物語号

読んだものメモ。・『黒い聖母と悪魔の謎 キリスト教異形の図像学』馬杉宗夫(講談社現代新書)……昔の絵がへんちくりんなのは別に下手だからなのではなく、「現実的空間より絶対的空間を求め」た結果であるらしい。キリスト視点の遠近法とか。白黒でつぶれて…

『GOSICK』桜庭一樹(富士見ミステリー文庫)★★★☆☆

謎解きミステリとしては有名な大ネタと小ネタが一つずつ。大ネタの必然性がよくわかりませんでした。真犯人を疑うきっかけとか手をつないでいる理由とか、細かい部分の方が印象に残りました。「アレックス」というのもたぶん叙述トリック? いろいろ仕掛けは…

『ユーロマンガ(2)』『前夜祭』『COPPERS(1)』『聖☆おにいさん(3)』『ミステリーズ!(34)』

今週読んだ本のメモ。『ユーロマンガ』Vol.2 第一号の続き。前回はヨーロッパ漫画を初めて読んだので、かなり新鮮でインパクトがありましたが、早くも飽きてしまいました。連載の形じゃなくてまとめて読んだ方がいいかもしれない。 『前夜祭』小田扉 小田扉…

『赤×ピンク』桜庭一樹(角川文庫)★★★★☆

ファミ通文庫の再刊。 これまで読んだ桜庭作品は、世界がひっくり返るような話ばかりだったので、これもそういうのを期待していたんだけれど、どちらかといえば『放課後の音符』な感じの作品でした。 しかも何に悩んでいるのかわかんない感じの悩み方という…

『少女には向かない職業』桜庭一樹(創元推理文庫)★★★★★

桜庭一樹にはこういった少女の物語が似合う。『赤朽葉家』みたいなのだと、身の丈に合っていないというか力不足というか、少女役の女優が背伸びして大人の演技してるみたいでしっくり来ないのだ。 単なる相性なのかもしれんけどね。ちゃんと痛みが伝わって来…

『ダ・ヴィンチ』2008年10月号

◆大槻ケンヂが『幼年期の終り』を紹介。◆押井守『凡人として生きるということ』『他力本願』インタビュー◆森見登美彦『美女と竹林』インタビュー。インタビュー読んでるだけでもおもろい。◆古典新訳文庫『人間不平等起源論』『社会契約論』翻訳者インタビュ…

『CREA(クレア)』2008年9月号【読書の快楽!】

桜庭一樹が選ぶ「人生の100冊」と江國香織×川上弘美「私の好きな恋愛小説」というのを新聞広告で発見して購入。◆「東野圭吾×福山雅治対談」 「ガリレオ」主演の福山雅治と原作者の対談◆「宮部みゆきの“頭の中”を大公開!」 二ページのインタビュー。主に新作…

『遠野のザシキワラシとオシラサマ』佐々木喜善(中公文庫BIBLIO異の世界)★★★☆☆

なぜだかわからないけれど、大笑いしてしまった。 座敷童(とその類似妖怪)の伝承だけでできた一冊の本が刊行され、あまつさえそれが復刊されてしまうということに嬉しくなってしまったのかもしれない。 それだけに今までのBIBLIO異の世界シリーズ以上に読…

『ユリイカ』2008年3月号通巻548号【新しい世界文学】★★★★★

「「世界文学」から「文学世界」へ」若島正×菅啓次郎×桜庭一樹 お三方のお勧め三作と、「世界文学」についての鼎談。ざっと概説といった感じでちょっと不完全燃焼気味。もっと深い話をしてもらいたかった。 各国作品の研究者や翻訳者による、各国文学事情が…

『別冊文藝春秋』2008年1月号

「プリンセス・トヨトミ」万城目学 ――会計検査院第六局副長松平元の身分は、公務員である。受験した全四万人のなかでの、トップ合格者だった。「どうしてウチに入ったのか?」と訊ねられ、「検査がしたかったからです」と簡潔に答えた。 連載第一回。初めて…

『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』桜庭一樹(富士見書房)★★★★★

なんだ。すでに最高傑作を書いてるんじゃないか。 デス博士と八百屋お七と虚無への供物やエンリコ四世etc.形にできない観念が砂糖菓子という比喩で目に見えるものになりました。 ひきこもりになってから人柄ががらっと変わってしまい貴族のようで〈神の…

『ダ・ヴィンチ』2007年12月号

◆「井上雄彦『リアル』大特集」 井上雄彦インタビュー掲載。★「近代文学探訪第一回 北村薫 夏目漱石『門』」 第一回はせっかく北村薫なのに、インタビュー記事なので物足りない。第一回でいきなり『門』というところがさすがというか何というかです。◆「WEB…

『赤朽葉家の伝説』桜庭一樹(東京創元社)★★★☆☆

女三代の個人史である。だから当然といえば当然だけど、どれだけいろいろなことが起きようとも、語られるのは飽くまで個人レベルの物語。祖母と母から聞いた身の上を孫娘が書き記している、という設定なので、ますます身のまわりの出来事という印象が強まる…


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