『ティファニーで朝食を』トルーマン・カポーティ/村上春樹訳(新潮社)

『Breakfast at Tiffany's』Truman Capote,1958年。「ティファニーで朝食を」(Breakfast at Tiffany's,1958)★★★★★ ――名刺の住所は「旅行中」、かわいがっている捨て猫には名前をつけず、ハリウッドやニューヨークが与えるシンデレラの幸運をいともあっさ…

『犬は吠える1 ローカル・カラー/観察記録』トルーマン・カポーティ/小田島雄志訳(ハヤカワepi文庫)★★★★☆

映画化のおかげで続々文庫化のカポーティなのだが、残念ながら読みづらい。シェイクスピア翻訳でおなじみの小田島氏なので悪訳とか誤訳珍訳とかいうわけではないのだけれど、戯曲じゃないんだから原文のリズムをそこまで重視する必要はないんだよ、と言いた…

『叶えられた祈り』カポーティ/川本三郎訳(新潮文庫)★★★☆☆(第二部は★★★★★)

第一部はやはり大長篇を意図していたのでしょうか、まるで通行人の流れを切り取って描いたかのように、登場人物がぱらぱらと入れ替わりながら物語が進みます。顔見せというか背景紹介というか、ごくあっさりと書かれてはすぐに次の場面に映るので、正直ちょ…

『トルーマン・カポーティ(上)』ジョージ・プリンプトン/野中邦子訳(新潮文庫)★☆☆☆☆

インタビューをもとにした伝記、というよりインタビューだけをまるまんま連ねてしまった伝記(のようなもの)。内容云々はともかく、読物としてはキツイ。テレビのニュースやドキュメンタリーでは、インタビューだけで構成されているのはよくあることなんだ…

『冷血』トルーマン・カポーティ/佐々田雅子訳(新潮文庫)★★★☆☆

ノンフィクション・ノベルという言葉自体は知っていても、カポーティのこの作品以外でその言葉を目にすることはほとんどなかった。それだけ特殊な形態の作品なのかと思いきや、読んでみればそういうわけでもない。むしろ本書以後、雨後の竹の子のように類書…


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