『邪魅の雫』京極夏彦(講談社文庫)★★★★★

『IN★POCKET』も購入。『陰摩羅鬼』がなかなか刊行されなかったのは『ファウスト』太田のせいだったようです(^_^;。 今回は意識的にある程度〈キャラ〉を封印していた作品でした。榎木津は暴れないし益田は調子出ないし関口はしっかりしてるし、木場はほ…

『対談集 妖怪大談義』京極夏彦(角川書店)★★★★★

大塚氏との対談は微妙に噛み合ってなかったり、そうかと思えば保阪氏は京極氏の発言に食いついていたりと、人それぞれで面白い。学者にしてもラフな人から、いかにも頭の固いアカデミズムっぽさを漂わせた人までさまざまで、相手の人間性を引き出すという意…

『妖怪変化 京極堂トリビュート』あさのあつこ・西尾維新・他(講談社)★★★☆☆

絶対に読みたい!という作家がいるわけでもないのに、なぜ購入しようと思ったのかが記憶にない。ミステリ・サイドからは西尾維新しか参加していないというのも異色というか、京極夏彦の幅広い活躍ぶりを象徴しているとも言える(のかそれとも企画のピントが…

『百器徒然袋――風』京極夏彦(講談社文庫)★★★★☆

「五徳猫 薔薇十字探偵の慨然」★★★☆☆ ――幼い頃に別れた母に二十年ぶりに会いに行った美津子は、昔隣人が飼っていたとおぼしき猫に導かれるように、実家を探り当てることが出来た。だが現われた母親の言葉は、「娘の名を騙って、何が狙いだい」というものであ…

『妖怪の理 妖怪の檻』京極夏彦(角川書店)★★★★★

エッセイっぽいものかと思っていたら、けっこうちゃんとした論文でした。「妖怪」という言葉をめぐる考察だけでも二百ページ、圧巻です。 圓了や江馬務、柳田國男といった人々がどんな意図を持ちどんな意味で「妖怪」という言葉を使っていたのかを、くどいほ…

「狐者異」京極夏彦(『続巷説百物語』角川書店より)★★★★☆

『前巷説百物語』を読んだので当然のごとく読み返したくなっちゃいました。読み返してみると、けっこう地味なんですよねえ。『前巷説百物語』の玩具大集合みたいな派手さと比べると、完成度は高いのだろうけれど、かなり地味です。『前』であれだけ又市たち…

『前巷説百物語』京極夏彦(角川書店)★★★★★

お馴染み〈巷説百物語〉シリーズでありながら、同時に〈同心・志方兵吾〉シリーズという新しいシリーズにもなっているテクニックと遊び心が楽しい一冊。志方同心を主人公に新たに捕物帳でも書いてくれないかな、と誰もが思うのではないでしょうか。捕物帳で…

『陰摩羅鬼の瑕』京極夏彦(講談社文庫)★★★★★

「おお! そこに人殺しが居る!」探偵・榎木津礼一郎は、その場に歩み入るなりそう叫んだ――。嫁いだ花嫁の命を次々と奪っていく、白樺湖畔に聳える洋館「鳥の城」。その主「伯爵」こと、由良昂允とはいかなる人物か? 一方、京極堂も、呪われた由良家のこと…

『今昔続百鬼―雲』京極夏彦(講談社文庫)★★★★★

多田克己氏と村上健司氏を名前と外見のモデルにしたこのシリーズは、石燕の創作妖怪がモチーフとなっています。創作なんだから当然、創作される以前の歴史は背負ってない。ゆえに京極堂シリーズでは確かに使いづらいのかなぁという気もします。サブタイトル…


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