『Fiction』58(OPTA)

フランスのSF雑誌。翻訳7篇と創作4篇とエクスポ・レポートと書評を掲載。「地球の脅威」ロバート・A・ハインライン「やさしき天使たち」C・S・ルイス「Le Rival(The Duel)」Joan Vatsek 「Un Jour comme les autres」Marcel Battin(いつもと同じ日,…

『Les Oiseaux de cuir』Gilles Thomas(Fleuve Noir)★★★★☆

ジル・トマ、別名Julia Verlanger(ジュリア・ヴェルランジェ)の短篇集。 「Préface」Stefan Wul(序文,ステファン・ウル) ――本屋にジュリア・ヴェルランジェの本を頼んでいる人がいたとする。「SFがお好きなのですか?」「そう言うわけではないんだけ…

『Then Came Two Women』Charlotte Armstrong(ACE GIANT DOUBLE NOVEL BOOK)★★★★☆

『爰に二人の女来たり』シャーロット・アームストロング,1962年。 二年のあいだ精神病院に入院していたMaggie Dyerは、三歳だった息子Michaelと一歳だった娘Maryが養子に出されていたことを知る。相手は女優のJoss Bringgold。Maggieは子どもを取り戻せない…

『The One-Faced Girl』Charlotte Armstrong(ACE GIANT DOUBLE NOVEL BOOK)★★☆☆☆

『裏の顔のない少女』シャーロット・アームストロング,1963年。 Suzan Millerは田舎の山から出てきた何も知らない20歳の女の子。化粧の仕方も「男は狼」の意味もアパートの隣人に教えてもらった。定時に帰ることも知らないので、勝手に残業していると、社長…

『Catch-as-Catch-Can』Charlotte Armstrong(ace GIANT DOUBLE NOVEL BOOK)★★★☆☆

『行き当たりばったり』シャーロット・アームストロング,1952年。 Dee Alisonは婚約者Andy Talbotを連れて、従姉妹のLaila Breenに会いに来ていた。Jonas老人の遺産は、ほとんどがフランス帰りのLailaのものとなっており、従兄弟のClive Breenはそれが気に…

『The Black-eyed Stranger』Charlotte Armstrong(ACE GIANT DOUBLE NOVEL BOOK)★★★☆☆

『黒目の不審者』シャーロット・アームストロング,1951年。 Alan DulainとKay Salisburyは婚約者同士。元新聞記者のSam Lynchはひょんなことから、ギャングのAmbielliと子分のBaby HhenbaumがKayの誘拐を企んでいるのを、耳にしてしまう。誘拐計画を人に教…

『En un autre pays; anthologie de la science-fiction française ** 1960-1964』Gérard Klein編(seghers)

1976年発行。ジェラール・クランによるフランスSFアンソロジーの第二弾(60年代前半編)。ぐっとアメリカSF風の作品が増えて面白くなりました。 「Préface」Gérard Klein(序文,ジェラール・クラン) 60年代前半というのはフランスSFにとって、黄金の…

『Der Groß-Cophta』Johann Wolfgang von Goethe

カリオストロ伯爵を題材にしたゲーテの戯曲『大コフタ』。いつか読みたいと思っていたのですが、フランス語訳版『Le Grand Cophte』を見つけたので読んでみました。 主要な登場人物はロストロ伯爵、侯爵夫妻、侯爵夫人の姪、参事会員、騎士。 ロストロ伯爵が…

『Limehouse Nights』Thomas Burke

トマス・バークの作品はこれまで「オッターモール氏の手」と「黄金の銅鑼」しか読んだことがありません。それでいて乱暴を承知で二つのどちらに似ているか、と言うならば、「黄金の銅鑼」に近い作品です。チャイナタウン(ライムハウス地区)と中国人の出て…

『The Lady of the Barge』W. W. Jacobs

W・W・ジェイコブズの短篇集。強いて言うなら田園が舞台ではない田園小説、というところでしょうか。船乗りや田舎の住民の悲喜こもごも。 表題作の「The Lady of the Barge」は、船長が義弟のガールフレンドを船に乗せていちゃいちゃして調子に乗って、奥さ…

『The Innocent Flower』Charlotte Armstrong(Zebra Books)

『無心な花』シャーロット・アームストロング。1945年。 マクドゥガル・ダフもの三作目にして最後の一冊は、アームストロング版『スイート・ホーム殺人事件』でした。 土砂降りに遭い車を停めたマク・ダフ。向こうにも同じように車を停めている人がいて、ど…

『La clé sous le paillasson』Marcel Aymé(Gallimard jeunesse FOLIO JUNIOR)

ガリマール社のジュヴナイル叢書のようです。アルセーヌ・ルパンを思わせる「怪盗」が出てくるというので読んでみました。マルセル・エーメの短篇3篇収録。「La clé sous le paillasson」(玄関マットの下の鍵)★★★☆☆ ――紳士強盗は足を洗う決心をし、玄関マ…

『Les histoires de Tom Joë』Gabriel de Lautrec(L'édition Française Illustrée)★★★★☆

『笑いの錬金術 フランス・ユーモア文学傑作選』[amazon]に「節酒の教え」「ダモクレスの剣」が掲載されているガブリエル・ド・ロートレックの短篇集。1920年発行。 「Les amours de Tom Joë」(トム・ジョーの恋)★★★☆☆ ――久しぶりに会ったトム・ジョーはげ…

『The Beast with Five Fingers』W.F. Harvey(Wordsworth Editions)

W・F・ハーヴィー短篇集より、読み残しのうち真ん中1/3ほど読了。 「Peter Levisham」(ピーター・レヴィシャム)★★★★☆ ――私がPeter Levishamに関する本を読んでいると、知人のCrokettが、本には書かれていない事実を聞かせてくれた。「以前に車に轢か…

『The Case of the Weird Sisters』Cherlotte Armstrong(Zebra Books)★★★☆☆

シャーロット・アームストロング「マク・ダフ」シリーズ第二作『三人の魔女事件』。1943年初刊。読んだのは1992年の再刊本。タイトルの「weird sisters」は前作同様シェイクスピア『マクベス』より。第一幕第三場・第五場・第二幕第一場・第三幕第四場・第四…

『The Bishop of Hell & Other Stories』Marjorie Bowen(Wordsworth Editions)★★★☆☆

「The Fair Hair of Ambrosine」(アンブロジーヌの金髪)★★★★☆ ――Claude Boucherは旧暦12月12日の近づくのが怖かった。極秘書類を届ける途中にAmbrosineの家の前を通らなくてはならない。恋人のAmbrosineが死んだのは三年前の冬だ。刺殺されたAmbrosineの死…

『Not Exactly Ghosts』Sir Andrew Caldecott(Wordsworth Editions)

M・R・ジェイムズに影響を受けた、雰囲気で盛り上げるタイプ、だと書かれていたので身構えてしまいましたが、オーソドックスな怪談ふうのけっこう読みやすい作品もありました。そうはいってもやはりちょっと苦手でした。 『Not Exactly Ghosts』1947年。「…

「The Thing in the Forest」Bernard Capes

ハンガリーにて。新妻のElspetは雪のなか家に帰る途中だった。夜も近づいていたので教会が見えたときにはほっとした。聖母像に祈りを捧げてから家に向かった。ところが視界に影のようなものが映った。振り返ると――狼だった。逃げ出したがすぐに追いつかれて…

『The Beast with Five Fingers』W. F. Harvey(Wordsworth Editions)

ぶ厚い作品集なので一気には読まずに、ひとまず邦訳のある「The Clock」まで読みました。 「The Beast with Five Fingers」(五本指の怪物)★★★★★ ――盲目のAdrian Borlsoverは、左手で点字に触れながら、右手で勝手に文字を書いていることがあった。死後、甥…

『The Phantom Ship』Frederick Marryat(1839年)★★★☆☆

『幽霊船』フレデリック・マリヤット。 怪奇小説の古典「人狼(ハルツ山の人おおかみ)」の著者による長篇――というか、実は「人狼」というのがこの長篇の一挿話なのだそうです。『デカメロン』形式や連作長篇なのではなく、純然たる長篇でした。 物語の骨格…

『The Shadow on the Blind and Other Stories』Louisa Baldwin&Lettice Galbraith(Wordsworth Editions)★★★☆☆

Baldwin『The Shadow on the Blind』とGalbraith『The Trainer's Ghost』の二冊の短篇集をまるごと収録したペイパーバック。ルイザ・ボールドウィンは「このホテルには居られない」の邦訳あり。どちらかというとレティス・ガルブレイスの方が好みでした。 『…

『Couching at the Door』D. K. Broster(Wordsworth Editions)★★★★★

アンソロジー『鼻のある男』に「超能力」が紹介されていたD・K・ブロスターの稀覯本が廉価版で刊行されてます。「Couching at the Door」(門口に伏す)★★★★★ ――詩人のAugustine Marchantが初めにそれを見たときは、訪問客が忘れていったボアだと思った。…

『The Book of Catherine Wells』Catherine Wells,Intro. by H. G. Wells(Books for Libraries Press)

オリジナルは1928年刊行。 アンソロジー『鼻のある男』収録の「幽霊」で描かれていた少女の繊細な心理描写がよかったので、ほかの作品も読んでみることにしました。 「The Last Fairy」★★★☆☆ ――その年老いた妖精は、衣装に身を包み、久しぶりに人間界を歩い…

「The Fog」「The Anticipator」「King Billy of Ballarat」Morley Roberts

「The Fog」★★★★★ ――ロンドンを深い霧が覆っていた。自分の手を見ることすらできない。町では暴動や殺人が起こり、自殺者や狂人があふれかえった。この霧はいつまで続くのだろうか……。戦争で視力を失ったTom Crabbだけが、普段通りに動くことができた。 アン…

「Le ventre de Tom Joë」「La bouteille à la mer」「La preuve」「Conte moral」Gabriel de Lautrec(『Les veillées du Lapin Agile』より)

この人もジョルジュ・オリオール同様『笑いの錬金術』で知った作家。ガブリエル・ド・ロートレック。こちらは比較的入手しやすいようですが、取りあえずネット上で読めるものを拾い読み。「Le Ventre de Tom Joë」★★★☆☆ ――私は病院の敷居をまたいだ。手術室…

「Dix heures en chasse」Jules Verne

わたしは狩人が嫌いだ。狩をやったこともなかった。だが友人のBrétignotに誘われて、狩に同行することになった。Maximonは残忍そうな男だった。Duvauchelleは老人だった。Matifatは狩人そのものだった。Pontclouéはその友人だ。ほかの人たちはよく覚えていな…

「Tom Slooper」「Curieuse façon de traiter les Cambrioleurs」George Auriol

白水社のアンソロジー『笑いの錬金術』で知ったジョルジュ・オリオールの作品を読んでみました。ネット上で読めるのは二つ。デザイン関係の方で有名らしく、残念ながらユーモア作品集は稀覯本のようです。 「Tom Slooper」 ――道化師トム・スローぺが「面白い…

『Black Magic』Marjorie Bowen,1909年。

マージョリー・ボウエンは短篇三つ四つくらいしか読んでいなかったので、てっきりジェントルな女流怪談作家かと思っていました。 ところが何の気なしにネット上で拾って読んでみた長篇は、何とその名の通り『黒魔術』でした。『黒魔術』とはいってもそんなど…

「Very, Very, Red」「She Began」「Sweet」Diane Williams ★★★★☆

『ユリイカ』対談で岸本佐知子が触れていた作家。amazon.comでリディア・デイヴィスを買った人におすすめだったんだそうです。曰く「どこを開いて読んでも意味がよくわからない(笑)」。ネット上で読める作品を読んでみたけど、やっぱりわかりません。「Ver…

「The Folding Doors」Marjorie Bowen,1912年。★★★★☆

フランス革命期を舞台にしたマージョリー・ボウエンの短篇。 王妃を救うという共通の目的が縁で知り合った元貴族と人妻。ホールの音楽を聴きながら、ド・ジョレはドアを開けようとした。ドアの向こうにはオルタンスが待っているはず。と、そのとき、デュロソ…


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