『新編 怪奇幻想の文学1 怪物』紀田順一郎・荒俣宏監修/牧原勝志編(新紀元社) むかし新人物往来社から出ていた『怪奇幻想の文学』全7巻の企画を踏襲し、新たに編み直したもの。すべて新訳・改訳。 「変化」メアリ・シェリー/和爾桃子訳(Transformatio…
『毒薬ミステリ傑作選』レイモンド・T・ボンド編/宇野利泰他訳(創元推理文庫) 『Handbook For Poisoners』ed: Raymond T. Bond,1951年。 同じ編者の『暗号ミステリ傑作選』と比べても、いくら何でも他の版で読める作品が多すぎます。解説でも、「マニア…
『走る赤 中国女性SF作家アンソロジー』武甜静・橋本輝幸編/大恵和実編訳(中央公論社) 女性作家アンソロジーを編んだ意図について、序文であれこれ述べられていますが、日本人の多くにとって(少なくともわたしにとって)、中国を含めた非欧米圏の作家…
『非日常の謎 ミステリアンソロジー』芦沢央他(講談社タイガ) 『小説現代』2021年2月号で特集された〈非日常の謎〉を書籍化したもの。〈日常〉の対義語が〈非日常〉だとしても、〈日常の謎〉の対義語が〈犯罪事件の謎〉とは限らないというのは面白い着眼点…
『ヌマヌマ はまったら抜けだせない現代ロシア小説傑作選』沼野充義・沼野恭子編訳(河出書房新社)「空のかなたの坊や」ニーナ・サドゥール/沼野恭子訳(Занебесный мальчик,Нина Садур,1992)★★★★☆ ――地球の中心、地球の心臓部、マグマの深奥、私たちの…
『海の鎖』伊藤典夫編訳(国書刊行会 〈未来の文学〉) 〈未来の文学〉最終巻。 「偽態」アラン・E・ナース(Counterfeit,Alan E. Nourse,1952)★★★☆☆ ――クロフォード医師はジャッフェ大佐のいる船長室に向かった。「この船の中で、当然死んでいるはずの…
『深淵と浮遊 現代作家自己ベストセレクション』高原英理編(講談社文芸文庫) アンソロジーが「どこまでいってもこの自分の視点からしか見られない」ことから、作家自身に作品を選んでもらい、収録順も五十音順に並べただけという、果たして編者のことを編…
「ささやく水」森谷明子(光文社文庫『御城の事件〜西日本編〜』)「ささやく水」森谷明子(2020)★★★☆☆ ――高山ジュスト右近が、秀吉公により明石へ転封されたのは、天正十三年のことだった。まずは築城に取り掛からねばならぬ。右近が選んだ土地は、船上《…
『ユーモア・スケッチ傑作展1 ユーモア・スケッチ大全』浅倉久志編訳(国書刊行会) 1978年刊『ユーモア・スケッチ傑作展1』に、単行本未収録のユーモア・スケッチ並びにそれに類するユーモア短篇を収録した、アメリカ雑誌黄金時代のユーモア短篇傑作選で…
『文豪たちが書いた「犬」の名作短編集』彩図社文芸部編纂(彩図社) やたらと即物的なタイトルですが、どうやら「文豪たちが書いた~」シリーズというのが出ている模様。 「硝子戸の中」夏目漱石(1915)★★★☆☆ ――私がHさんからヘクトーを貰った時の事を考…
『殺人者を乗せて 鉄道ミステリ傑作選〈昭和国鉄編Ⅲ〉』佳多山大地編(双葉文庫) 二巻で終わる予定だったものの好評につき第三巻が刊行された、鉄道ミステリの傑作選です。 「「雷鳥九号」殺人事件」西村京太郎(1982)★★★★☆ ――雷鳥九号が北陸トンネルを抜…
『F THE TRiBUTE 藤子・F・不二雄トリビュート&原作アンソロジー』★★★☆☆ 2014年に『Fライフ』3号に掲載されたトリビュート作品8作に、描き下ろし8作を加え、お気に入りの原作作品とインタビューも追加した作品集。2024年11月22日発売。 てっきり描き下…
『おはしさま 連鎖する怪談』三津田信三・薛西斯・夜透紫・瀟湘神・陳浩基/玉田誠訳(光文社)『筷:怪談競演奇物語』2020年。 台湾の出版社の企画による、台湾・香港・日本の作家による「箸」がテーマのホラーミステリ競作集――のはずなのですが、あとがき…
『移動迷宮 中国史SF短篇集』大恵和実編訳(中央公論社) 中国史SFといっても、かなり歴史ネタが強いものから過去が舞台のファンタジーに近いものまで、さまざまです。「孔子、泰山に登る」飛氘《フェイダオ》/上原かおり訳(一览众山小,飞氘,2009)★★☆…
『猫のまぼろし、猫のまどわし』東雅夫編(創元推理文庫) 怪奇・幻想・ファンタジーのなかから猫が題材のものを選んだアンソロジー。似たような作品が集まるのは避けられないし、関連作品として類話や元ネタを並べてある場合もありますが、基本的に「化ける…
『短編ミステリの二百年3』マクロイ、エリン他/小森収編(創元推理文庫) 第3巻はEQMMコンテスト受賞作&受賞作家が収録されています。さすがに力作・傑作揃いでした。 「ナボテの葡萄園」メルヴィル・デイヴィスン・ポースト/門野集訳(Naboth's Vi…
『島田荘司選 日華ミステリーアンソロジー』陳浩基・知念実希人・他(講談社) 2021年刊。 まるで経済成長に合わせるかのように、乗りに乗っていた中国ミステリ&SF。アジア圏ミステリの紹介では先鞭をつけていた島田荘司氏による日華競演アンソロジーが満…
『中国・アメリカ 謎SF』柴田元幸・小島敬太編訳(白水社) 『三体』やテッド・チャンやケン・リュウ以外にも、「とにかく面白い作品を書いてる新しい世代のSF作家が大勢いて、まだ日本では全然紹介されていない」ことから、編者がそれぞれ中国とアメリ…
『どこか、安心できる場所で 新しいイタリアの文学』パオロ・コニェッティ他/関口英子、橋本勝雄、アンドレア・ラオス編(国書刊行会) 日本オリジナルの21世紀イタリア文学アンソロジー。 小野正嗣による序文が収録されていますが、内容にがっつり踏み込…
『幻想と怪奇』15【霊魂の不滅 心霊小説傑作選】「欧米心霊学略年譜」「モレル夫人の最後の降霊会」エドガー・ジェプスン/髙橋まり子訳(Mrs. Morrel's Last Seance,Edgar Jepson,1912)★★★☆☆ ――二年前の冬、わたしはモレル夫人の降霊会にすべて出席した…
『平成怪奇小説傑作集2』東雅夫編(創元推理文庫) 後半は『幽』やてのひら怪談作家が占めます。ということは怪談実話ブームもこの頃だったでしょうか。 「匂いの収集」小川洋子(1998)★★★★☆ ――僕は彼女に髪をといてもらうのが好きだ。彼女が触れたとたん…
『シオンズ・フィクション イスラエルSF傑作選』シェルドン・テイテルバウム&エマヌエル・ロテム編/中村融他訳(竹書房文庫) 『Zion's Fiction: A Treasury of Israeli Speculative Literature』Sheldon Teitelbaum and Emanuel Lottem ed.,2018年。 …
『ラテンアメリカ怪談集』J・L・ボルヘス他/鼓直編(河出文庫) 1990年に出ていたものの新装復刊本。編者あとがきによればラテンアメリカにはジャンルとしての怪談は(少なくとも当時)なかったらしく、あとがきもほとんどが幻想小説について割かれていま…
『revisions 時間SFアンソロジー』大森望編(ハヤカワ文庫JA) 時間SFアニメ『revisions』放映に乗っかって編まれた時間SFのアンソロジー。アニメとは内容は無関係の純粋なアンソロジーです。未知の作家と好きな作家だけ読みました。 「退屈の檻」リチ…
『世にもふしぎな動物園』小川洋子・東川篤哉他(PHP文芸文庫) 帯によると、「ペンネームに隠れた『どうぶつ』をテーマに、豪華作家陣が紡ぐ前代未聞のアンソロジー」。『どうぶつたちの贈り物』の改題文庫化です。巻末の広告ページによれば、伊坂幸「犬」…
『短編宇宙』集英社文庫編集部編(集英社文庫) 宇宙をテーマにした文庫オリジナルのアンソロジー。 「南の十字に会いに行く」加納朋子(2017)★★★☆☆ ――今朝いきなり、「七星《ななせ》、南の島へ行くぞ。石垣島だよ」とパパが言った。「なんで急に?」「い…
『挿絵叢書 竹中英太郎(一)怪奇』末永昭二編(皓星社) 挿絵叢書というシリーズ名からわかるとおり、「可能な限り発表当時のレイアウトに近づけ」「必ずしも傑作小説集を目指さず、あくまで挿絵の魅力を堪能しうる作品を選」んだ(「序」より)ものであり…
『アンソロジー 隠す』大崎梢他(文春文庫) 女性作家の集まり〈アミの会(仮)〉による書き下ろしアンソロジー第三弾(の文庫化)。加納朋子『少年少女飛行俱楽部』の前日譚「少年少女秘密基地」目当てで購入。好きな作家と未知の作家を読む。 「理由」柴田…
『幻想と怪奇』14【ロンドン怪奇小説傑作選】「ロンドン怪奇小説地図」「アッシュ氏の画室」H・R・ウェイクフィールド/渦巻栗訳(Mr. Ash's Studio,H. R. Wakefield,1932)★★★☆☆ ――道路工事が終わるまで、別の仕事場を借りなければ長篇小説を完成させら…
『悲劇への特急券 鉄道ミステリ傑作選〈昭和国鉄編Ⅱ〉』佳多山大地編(双葉文庫) 第一集がトラベル・ミステリーの作者による傑作集だったのに対し、第二集である本書にはトラベル・ミステリー作家に限らない鉄道ミステリが集められていました。 「探偵小説…