『完全な真空』スタニスワフ・レム/沼野充義・工藤幸雄・長谷見一雄訳(国書刊行会)★★★★☆

レム作品のなかでもかなり有名な、架空の書物の書評集です。 まずはヤラレタ!と思ったのが、序文自体がすでに書評という体裁になっていることでした。本書『完全な真空』の序文が、レムの書いた書籍『完全な真空』についての書評になっているのです。ここま…

『短篇ベスト10』スタニスワフ・レム(国書刊行会 レム・コレクション)

読者投票および編者および著者によって選ばれたベスト15の原書から、2015年現在日本語での入手が容易な『未来学会議』『完全な真空』収録作を除いた全10篇が収録されています。収録順は原書通り、読者投票の人気順。 ちょっと思ってたのと違いました。ノ…

『泰平ヨンの航星日記』スタニスワフ・レム/深見弾・大野典宏訳(ハヤカワ文庫SF)★★★★☆

てっきり『宇宙創世記ロボットの旅』みたいなボケボケSFかと思っていたら、けっこうハードな内容も混じっており、ありがたいことです。 第7回や第11回などは、理屈の運び方としては『宇宙飛行士ピルクス物語』に近い。問題に直面したヨンが、いかにしてそ…

『宇宙飛行士ピルクス物語(上)』スタニスワフ・レム/深見弾訳(ハヤカワSF文庫)★★★★☆

『OPOWIEŚCI O PILOCIE PIRXIE』Stanisław Lem,1971年。 端正なというか正統的なというか、派手なところはないけれど読みごたえのあるハードSF。ニヤニヤしたり手に汗握ったりと、物語的にも面白い。「テスト」 宇宙飛行士候補生ピルクスの、初めての訓練…

『大失敗』スタニスワフ・レム/久山宏一訳(国書刊行会レム・コレクション)★★★☆☆

『Fiasko』Stanislaw Lem,1987年。 訳文が半端じゃなく読みづらい。註釈やあとがきからわかるとおり、この本の訳者はどうも翻訳者タイプではなく研究者タイプのようだ。直訳というか、律儀訳なのである。まあ慣れれば問題ない。 内容的にはどうなんだろう。…

『砂漠の惑星』スタニスワフ・レム/飯田規和訳(ハヤカワ文庫SF)★★★★★

『NIEZWYCIEZONY』Stanislaw Lem,1964年。 遭難したコンドル号を捜索するため、無敵号はレギス第三惑星に到着した。そこは奇妙な惑星だった。大気には酸素がある。だが、海に魚はいるのに陸には植物すら見あたらなかった。都市の廃墟のようなものは見つかっ…

『S-Fマガジン』2006年08月号(604号)【スタニスワフ・レム追悼特集】★★★★★

【スタニスワフ・レム追悼特集】★★★★★ 沼野充義・巽孝之・中村融・牧眞司・若島正・関口苑生・石川喬司・西島大介 単なる思い出話なんか誰も書かない。そういう社交辞令的で予定調和な追悼特集なんかではない、読みごたえのある作品論を中心とした、みんなほ…

『天の声・枯草熱』スタニスワフ・レム

長篇二つのカップリングだというから、短めの長篇二作かと思っていたら、細かい字でみっちり二段組みでした。特に『天の声』。読んでも読んでもページが先に進まない……。めげそうになりました。 つまらなくはないんですけどね。何て言うんでしょうか。すごく…


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