『ちくま文学の森8 悪いやつの物語』(筑摩書房)★★★☆☆

「囈語」山村暮鳥 ★★★★☆ ――窃盗金魚/強盗喇叭/恐喝胡弓/賭博ねこ/詐欺更紗……。 意味があるよでないような。不思議とくせになる言葉のつらなり。 「昼日中」「老賊譚」森銑三 ★★★☆☆ ――その客は店の亭主の方へ遣って来て、「仲間の野郎と話している内に、…

『ちくま文学の森7 恐ろしい話』(筑摩書房)★★★☆☆

あんまり怖い話がありませんでした。というところでタイトルが「怖い」のではなく「恐ろしい」話なのだと気づきました。「出エジプト記より」 ――人を撃ちて死なしめたる者はかならず殺さるべし。その父あるいは母を撃つ者はかならず殺さるべし。 文語訳聖書…

『ちくま文学の森5 おかしい話』(筑摩書房)

「おかし男の歌」長谷川四郎 ★★★★☆ ――おかし男 詩人だった/町角から ふいと出て/it rains cats and dogs/パイプに 火つけて/火と水の 音楽きかせ/ふる雨とのぼる煙と 空にローマ字かいた/o my lonelyhat/おかし男 もういない これで全文。「音楽きか…

『ちくま文学の森3 幼かりし日々』

「頑是ない歌」中原中也 ★★★★☆ ――思へば遠く来たもんだ/十二の冬のあの夕べ/港の空に鳴り響いた/汽笛の湯気は今いづこ 「なんだか自信が持てないよ」がかわいいんですが(^_^; 自信のない様子がうまく表現されているといえばいえます。 「多摩川探検隊…

『心洗われる話 ちくま文学の森2』(筑摩書房)★★★☆☆

文庫化を機に、積ん読を消化。『1 美しい恋の物語』は既読なので『2』から。基本的に美談は鼻で笑うタイプなので、あまり楽しめなかった。 「少年の日」佐藤春夫 ★★★☆☆ ――野ゆき山ゆき海辺ゆき/真ひるの丘べ花を藉き/つぶら瞳の君ゆゑに/うれひは青し空…


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